快適な空間を作ろう!キャンピングカーにおすすめの8つの設備
公開日:2019年3月30日 2024年1月12日 更新- カテゴリー:
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キャンピングカーに取りつけ可能な設備には多くの種類があります。どの設備もあれば便利ですが、あれもこれもと追加してしまうとかえってキャンピングカーのスペースを圧迫してしまい、快適な旅の邪魔になりかねません。そこで今回は、一般的に必要とされるキャンピングカーの設備と、場合によってあると便利な設備についてご紹介します。
一般的に必要な5つの設備
キャンピングカーによっては取りつけられない、取りつけに適していない場合もありますが、以下にご紹介するのは一般的に必要とされている設備です。
トイレ
キャンピングカー用のトイレは、長距離移動やトイレがない場所での宿泊を考えた場合に必要性が高い設備です。日本RV協会のアンケート調査によると、女性がキャンピングカーに求める最優先事項では「トイレ機能が充実しているキャンピングカー」(15.5%)が2位に挙がっています。
キャンピングカーに取りつけられるトイレは、取外し可能な「ポータブル式トイレ」、固定するタイプの「カセット式トイレ」と「マリン式トイレ」の3種類があり、使用後の処理方法がやや違います。ポータブル式とカセット式では汚水タンクを取り外し、家のトイレや浄化槽、公衆トイレなどで中身を処分して水洗いします。マリン式はホースを使って浄化槽に直接ダンプさせる方式のため、取り出して洗う手間はありません。なお、どのタイプのトイレも専用の薬剤を使用することで消臭が可能です。
サブバッテリー
サブバッテリーは、電化製品を使用する目的で搭載するバッテリーです。キャンプや車中泊の際、メインバッテリーに電化製品をつないでしまうと、バッテリーが上がってエンジンが掛からなくなる恐れがあります。安全に電化製品を使用するには、サブバッテリーと併せて、家庭用の電化製品につなぐためのインバーターをセットで導入します。
サブバッテリーがあればエンジンが停止していても電化製品を使うことができるため、夜中にエンジンをかけて周囲に迷惑をかけることがありません。
なお、サブバッテリーは繰り返し充電することができます。家庭用の電源やソーラーパネルから充電できる他、サブバッテリーチャージャーを介することで、メインバッテリーから走行中に充電することも可能です。
FFヒーター
秋冬のような寒いシーズンに必須となるのが、車内を暖かい温度に保てるFFヒーターです。FFヒーターは強制給排気式(Forced Flue systems)のヒーターで、室内の空気を燃焼する家庭用のヒーターとは異なり、室外の空気を燃焼します。生じた排気ガスも室外に排出するため、換気の必要がないという特徴があります。
燃料はガソリンタンク内の軽油やガソリンを使うため、ガソリンスタンドで補給が可能です。一晩中つけて寝る場合は、サブバッテリーも併せて取りつけておくとバッテリー上がりを気にせず済み、エンジンの点けっぱなしによる騒音も回避できます。なお、サブバッテリーの容量によって、FFヒーターが稼働できる時間も変わります。
ベッド
キャンピングカーでの旅は、車中泊やパーキングエリアでの休憩が想定されるため、ベッドをはじめとする就寝設備は必要です。
キャンピングカーに取りつけられるベッドには、車内にベッドを固定して取りつける常設式ベッドと、普段は椅子として使いつつ必要なときにベッドに変形できる兼用型ベッドの2種類があります。
常設式ベッドは、休憩したいときにすぐに寝転がれるメリットがあります。誰かが体調を崩したときにも、すぐに体を休めることが可能です。
兼用型ベッドは椅子の機能を兼ねているため、車内の限られた空間を節約し、その他の設備を増やすなどの有効活用ができます。
冷蔵庫
食べ物や飲料水を長期間保管できる冷蔵庫は、短期の旅行では必要性が薄いですが、夏場や長期の旅行では役に立ちます。また、旅先で入手した新鮮な魚介を持ち帰るなどの活用も可能です。
キャンピングカーに設置できる冷蔵庫には、「気化圧縮型(コンプレッサー方式)」や「気化吸収型(吸収式)」の2種類があります。
気化圧縮型は、一般的な家庭用冷蔵庫にも多いタイプです。気化圧縮型では圧縮機(コンプレッサー)を使い、ガス冷媒を圧縮して液化させたり、減圧して気化させたりを繰り返します。このガス冷媒は気化の際に熱を大きく奪うため、高い冷却効果が生まれます。圧縮機はモーターを使って動かすため、冷蔵庫を稼働させるには電源を必要とします。
気化吸収型は静音性に優れることから、ホテルの寝室や病院に使われているタイプです。気化吸収型では液体アンモニアと水を熱し、アンモニアが気化するときに熱を奪う性質を利用して冷蔵庫内を冷却します。熱する際には、ガスか電熱線を利用します。
あると便利な3つの設備
必要性は高くないものの、あると便利ないくつかの設備についてご紹介します。
エアコン
先にご紹介したように、キャンピングカーにFFヒーターを設置することは一般的です。一方、エアコンについては、車内に備えつけのカーエアコンがあるため、新たに設置する必要のないキャンピングカーも多くあります。しかし車内スペースの広いキャンピングカーだと、夏場はしっかり冷やしきれないこともあります。カーエアコンを補助できる別のエアコンがあれば暑さを気にせず快適に過ごすことができ、除湿を使えば室内を乾燥させることも可能です。
キャンピングカーに取りつけられるエアコンには、屋根に取りつけるルーフエアコン、窓に取りつけるウィンドウエアコン、持ち運び可能で設置場所の自由度が高いポータブルエアコンがあります。細かな室温調節が可能な家庭用エアコンも、場合によっては選択肢に入ります。
ポップアップルーフ、ルーフテント
ポップアップルーフとは、ワンボックスカーやミニバン、軽自動車などの屋根部分を加工して取りつけられる居住設備のことです。屋根が水平に持ち上がるタイプと斜めに持ち上がるタイプがあり、どちらも屋根を開くことで居住スペースが展開し、1~2人程度の就寝などに利用できます。一般的には、水平に持ち上がるタイプのほうがスペースを広く使えます。
ポップアップルーフを設置することで限られた車内空間を広く活用できるため、たくさん荷物を積みたい場合や大人数で車中泊をする場合などに便利です。展開するスペースには防水性のある素材が使われるため、雨が降っても問題はありません。冬場はやや寒く感じる可能性がありますが、断熱シェードのような素材とFFヒーターなどを組み合わせれば快適に過ごせます。
ポップアップルーフの他に、車体を加工するのではなく、後から屋根に取りつけるタイプのルーフテントがあります。取りつけた後の高さや重量、重心が高くなることによる走行性能の低下に注意する必要はありますが、ポップアップルーフよりもコストを抑えて居住スペースを広げることが可能です。
なお、軽自動車をベースにした軽キャンパーを購入する場合、居住スペースを広げるためにポップアップルーフやルーフテントが役に立ちます。軽自動車には軽自動車として登録するためのサイズの規格があり、装備品によってこの規格を超えてしまうと小型車扱いになって税金などの面でのメリットが失われてしまいます。ポップアップルーフやルーフテントであれば、閉じた状態で規格に収まっていれば軽自動車として認められるため、小型車扱いにならずに居住スペースの拡大が可能です。
サイドオーニング
サイドオーニングは、車の屋根のサイドに取りつける収納型の日よけテントです。単に日よけとして使う簡易的なものから、テントそのままの形をしているものまで、さまざまな種類があります。サイドオーニングは外の空気を感じながらゆっくり過ごしたい、日差しや雨を防ぎながら食事を楽しみたい場合などに活躍します。
テントの設営には時間がかかりますが、簡易的なサイドオーニングなら、車の屋根のサイドからタープを引っ張って支柱を立てるだけで簡単に設置できます。サイドオーニングを使用する際は、火を使わないよう注意してください。また、風が強い日には飛ぶ恐れがあるので使用を控えることをおすすめします。
設備を選ぶときのポイント
上記でご紹介した設備はどれも魅力的ですが、全てを購入する必要はありません。なぜなら、キャンピングカーの大きさやタイプ、使用目的次第で導入すべきものも変わるためです。設備を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてみてください。
キャンピングカーのサイズに合わせて選ぶ
所持または購入予定のキャンピングカーのスペースを考慮し、本当に使う設備にだけ絞って設置しましょう。設備を入れすぎてしまうとスペースが狭くなり、快適さが失われたり、キャンプや遊びの道具を十分に詰めなくなったりします。また、キャンピングカーの外側に追加する場合は、規格を超えてしまわないように注意が必要です。
キャンピングカーを使う目的に合わせて選ぶ
どこに、いつ、何日間、誰とどれくらいの人数で行くのかという目的を考慮して選ぶのも重要です。例えば、食料の日持ちがしない夏場の旅行なら冷蔵庫やエアコンの必要性が増し、冬場のキャンプならFFヒーターやサブバッテリーが必要となるなど、目的に合わせて設備選びができます。家族やペットと一緒に滞在型のアウトドアを楽しみたい場合は、不便がないようにトイレやシャワーのような設備を充実させると良いでしょう。
よく吟味してキャンピングカーの設備を選ぼう
キャンピングカーに取りつけられる設備は豊富で、限られたスペースにどの設備を取りつけるかで快適さが左右されます。上記では一般的に必要だとご紹介した設備でも、キャンピングカーの種類や目的によっては不要な場合もあるため、自身の利用シーンをよく考えた上で選ぶことが大切です。
「自分では決めきれない」という場合には、店舗にて相談することもできます。その際は、「日本RV協会」に加盟しているメーカーやショップであれば安心して最適な設備選びについて相談できるため、おすすめです。
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