乗り心地の良いキャンピングカー?フィアット・デュカトベースをご紹介
公開日:2023年5月12日- カテゴリー:
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キャンピングカー界隈の大きなニュースとして、2022年、フィアット・デュカトが日本に正規輸入されるというニュースがありました。デュカトはヨーロッパの多くのキャンピングカーのベース車として知られる車で、正規輸入されることにより、日本のキャンピングカーの可能性がさらに広がったと考えられます。
今回は、そんなフィアット・デュカトはどんな車なのか、乗り心地や機能面はどうなっているかについてご紹介します。
フィアット・デュカトはどんな車?
デュカトは、イタリアのフィアット社が販売している商用バンの1つです。役割としては日本のトヨタ・ハイエースに近く、収納力の高さと走行性能の高さで幅広い用途に活用されています。
ヨーロッパのキャンピングカーベース車として人気
デュカトはイタリアだけにとどまらず、ヨーロッパ中のキャンピングカービルダーがこぞって採用するほどベース車として人気だという特徴があります。
デュカトは商用に作られていることから走行性能が高く、長い距離を走っても壊れにくくなっています。エンジンパワーが強いため、車両重量が重くなりがちなキャンピングカーに架装しても快適な走行を実現できます。
また、デュカトは運転席と助手席部分を指すキャブと車体のベースとなるシャシーだけで購入することができ、キャンピングカービルダーが独自のコンセプトでデザインできるという特徴もあります。
デュカトをベースにしたキャンピングカーの輸入は以前から行われており、日本でもデュカトベースのさまざまなキャンピングカーを購入することが可能です。
トヨタ・ハイエースとの比較
商用バンということでフィアット・デュカトとトヨタ・ハイエースが同じカテゴリに入ると述べましたが、ここで両者を具体的に比較してみます。
ハイエースは、日本のバンとしては大型ですが、それでも日本の道路事情に合わせた「取り回しのしやすい」サイズ感に収まっています。
一方のデュカトは、国土の広いヨーロッパを走るためハイエースよりは大型で、キャンピングカーに架装する際に活用できるスペースは広くなります。特にデュカトの室内高はどの仕様でも1.9mを超えるため、多くの人が車内で立って歩けるような居住スペースを作ることが可能です。
走行性能の面では、ハイエースも強力なエンジンで快適なドライブができるようになっていますが、車両重量が重くなったキャンピングカーでは高速道路の走行などで物足りなさを感じることもあります。
デュカトはドイツのアウトバーンを走ることも想定した強力なエンジンを搭載しており、キャンピングカーの機能性を追求しつつ快適なドライブもしたい場合には大きな選択肢となります。
日本でも正式に上陸
このような特徴のあるフィアット・デュカトですが、これまでデュカトが日本に正規輸入されることはなく、ヨーロッパのビルダーが製造したキャンピングカーを正規輸入することで購入できるという状況でした。
そんな中、2022年2月、FCAジャパンがフィアット・デュカトを正規導入するとジャパン・キャンピングカーショー2022にて発表。デュカトの販売ネットワークを構築することで、日本のビルダーがフィアットを正規輸入し、新たなモデルを開発できるようになります。
フィアット・デュカトは乗り心地に定評あり
フィアット・デュカトをベースにしたキャンピングカーと国産のキャンピングカーを比較したとき、デュカトを選んだほうが良い理由の1つに「乗り心地」があります。
走行性能と環境性能を両立させた走り
これまでもご紹介してきたように、デュカトの特徴の1つは走行性能の高さです。
デュカトのエンジンはレギュラー燃料を使用するガソリンエンジンではなく、軽油を使用するディーゼルエンジンとなっています。国産車にもハイエースの一部仕様などディーゼルエンジンを採用している車はありますが、乗用車にはほとんどないため馴染みは薄いかもしれません。
ディーゼルエンジンは燃費の良さとエンジンパワーの強さに特徴があり、ヨーロッパの広い土地を移動するのに向いています。その分車両の価格が高くなる、ガソリンエンジンに比べてエンジン音が大きいことがあるなどの側面もあります。
デュカトのエンジンはその中でも環境性能にも配慮したターボディーゼルエンジンを採用しており、車両重量の重いキャンピングカーでも十分な加速感と安定した走行を得られます。
高速道路や雪道での安定性
上記のような走行性能は、具体的には高速道路や雪道で発揮されます。
国産のキャンピングカーは街中での取り回しに優れている代わりに、高速道路の走行には弱いと言われています。エンジン性能が重量と見合っていないため、加速感が少なく、横風が強いとハンドルを取られることがあります。そのため、高速道路ではゆったり走ることがキャンピングカーのドライブとして定着しています。
一方、デュカトは高速走行を前提としたエンジンを搭載しているため、このような走行の物足りなさが少ないと言えます。
また、デュカトには電子ブレーキLSDが搭載されており、雪道での走行にも強くなっています。電子ブレーキLSDはタイヤのどれかがスリップしたときにABSを電子的に制御するもので、雪道でスタックしそうなときに脱出しやすくなります。
2020年のモデルチェンジ
以前からベース車としての評価が高かったデュカトですが、2020年のモデルチェンジによりさらに進化を果たしています。
具体的には、排気ガスを浄化するためのシステムに尿素SCR方式が採用されました。これにより窒素化合物を効率良く浄化できるようになり、走行性能と環境性能のさらなる両立に貢献しています。
フィアット・デュカトをベースにしたキャンピングカー
ここでは、フィアット・デュカトをベースにしたキャンピングカーの例をご紹介します。
ローラーチーム「ZEFIRO 284TL」
イタリアのキャンピングカービルダーであるローラーチームが手掛けている、大型のキャンピングカーです。
日本ではキャブコンと呼ばれているタイプで、後部座席部分は専用のシェルが架装されて広い居住スペースが作られています。全長7,450mm、全幅2,350mm、全高2,950mmと国産車ではなかなか見かけないサイズで、高級ホテルを思わせる広さとラグジュアリーな内装が特徴です。
乗車定員と就寝定員はいずれも5人で、常設のベッドルームと電動プルダウンベッドを備えています。空間を活用した多くの収納スペース、独立したトイレルームとシャワールーム、3口コンロを備えたキッチンスペース、広々とくつろげるリビングスペースなどが特徴です。
モービルヴェッタ「K-Yacht Tekno Line 86」
同じくイタリアのキャンピングカービルダーであるモービルヴェッタが手掛けている、大型のキャンピングカーです。
シャシー以外のほとんどをビルダーが作るフルコンと呼ばれるタイプであり、全長7,510mm、全幅2,350mm、全高3,050mmのサイズはZEFIRO 284TLと比べてもさらに大型です。一方で乗車定員と就寝定員はいずれも4人で、広い居住スペースを贅沢に使用する作りになっています。
就寝スペースは、プレミアムな仕様のベッドルームと電動プルダウンベッド。トイレルームはパウダールームにもなっており、シャワールームは別で、室内は間接照明も駆使したラグジュアリーな雰囲気が作られています。
K-Yacht Tekno Line 86について詳しくはこちら
乗り心地や大きさで選ぶなら
キャンピングカーと一口に言っても用途や利用人数によってさまざまなモデルがあり、自分にぴったりのモデルを選ぶにはどの点を重視するかを考えることが重要です。
国産車ではなかなかない大きさや高速道路における乗り心地の良さを重視するなら、フィアット・デュカトをベースにしたキャンピングカーが大きな選択肢となるでしょう。
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