キャンピングカーでリチウムイオンバッテリーを使用するメリットとは?
公開日:2024年3月15日- カテゴリー:
目次
キャンピングカーのサブバッテリーとして、約5年前からユーザーが増えてきている「リチウムイオンバッテリー」。鉛バッテリーに代わって、これからの主流になるとも言われています。
ですが、具体的にどのようなメリットがあるのかがわからないという人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、「キャンピングカーとリチウムイオンバッテリー」をテーマに解説します。
リチウムイオンバッテリーは、鉛バッテリーのデメリットを補える存在なのかどうかを比較しながら紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみて下さいね。
リチウムイオンバッテリーとは?
リチウムイオンバッテリーとは、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することによって、充電や放電(放充電)を行う電池のことです。このように繰り返し使えるものを「二次電池」と言います。
充電時には正極側から負極側に、エネルギーを使う放電時には負極側から正極側へリチウムイオンが移動します。
リチウムイオンバッテリーは大容量の電力を蓄えられるので、バッテリーやノートPC、ロボットや自動車といった様々なものに使用されています。
リン酸鉄系と三元系の違い
リチウムイオンバッテリーには、「リン酸鉄系」と「三元系」の2種類があります。
現在、ポータブル発電機には三元系が使われていることが一般的ですが、これからはリン酸鉄系も増えてゆくと言われています。
この2種類はメリット・デメリットが異なるので、押さえたうえで選ぶようにしましょう。
リン酸鉄系は、安全性が高く、充放電回数が3,000回程度と長いことがメリットです。
デメリットは、エネルギー密度が低いため、本体のサイズが大きくて重くなることです。
三元系は、軽くてコンパクトでありながらエネルギー密度が高いので、一度の充電で長時間使えます。
デメリットは、充放電回数がリン酸系よりも短く、1,000回程度の製品が多いことです。
より安全性が高いのはリン酸鉄系ですが、だからと言って三元系が危険ということはありません。選ぶ際は、ぜひメーカーや機能などをよくチェックしてみて下さい。
【2】鉛バッテリーのデメリットとは?
これまでキャンピングカーで主に使われてきたバッテリーは、「鉛バッテリー」でした。
鉛バッテリーは約3年で交換の時期が来るので、次も鉛にしようか、それともリチウムイオンに替えようか迷っている人もいるかもしれません。
ここでは、鉛バッテリーのデメリットとしてよく挙げられる点について紹介します。
- 1台約30kgと重量があるため、車体に負担がかかりやすく、燃費にも影響する。車中泊である程度電気機器を使用するには、約2台以上積むことが多い。
- サイズも大きく、車両内のスペースを取られる。
- 使える電力が少ない。照明や電子レンジといった、毎日必要になる電気機器を1日使っただけでなくなってしまう。
- エアコンは消費電力が高いため、200アンペアの鉛バッテリーが2台以上必要。
- バッテリー残量が60%以下になると、車両内のほとんどの電気機器が使えなくなる。
- 車中泊旅行をしながらPCやカメラなどでリモートワークをする場合、常に充電する必要がある。
- 外部電源や発電機などで充電することが一般的だが、満充電になるまでにかなり時間がかかる。
- 充放電回数は約300回から500回までで、およそ3年程度。
キャンピングカーでリチウムイオンバッテリーのメリットとは?
リチウムイオンバッテリーは、どのようなバッテリーなのか。キャンピングカーで使用するメリットはあるのか。ぜひ一つ一つ見ていきましょう。
軽量でコンパクト
リチウムイオンバッテリーは、12V200アンペアの製品が1台約23kgととても軽量です。100アンペアであれば、10kg以下の製品も少なくありません。
また、サイズが300×300mm以下の製品も多いため、車両内のスペースに工夫を求められるキャンピングカーに適しています。
大容量で電気機器を使いやすい
リチウムイオンバッテリーがあれば、エアコンや電子レンジといった消費電力が高い電気機器でも安心して長時間使うことができます。
特に、夏や冬に子どもやペットなどを連れた車中泊旅行を予定している人は、1日中エアコンをつけている必要があります。命に関わることなので、大容量のリチウムイオンバッテリーを検討してみてもよいかもしれません。
寿命が長い
リチウムイオンバッテリーは、放電・充電を繰り返すことができる「充放電回数」が2,000回から4,000回までの製品が一般的です。
鉛バッテリーが約300回から500回であるのに比べて、5倍以上伸びています。
初期費用はリチウムイオンバッテリーのほうがかかりますが、長期的な視点で見るとコスパは優れています。
短時間で満充電にできる
リチウムイオンバッテリーは充電効率が高いため、走行充電やRVパークなどにある外部充電などによって、短時間で100%の満充電にできます。夜中にエアコンを使用してバッテリー残量が少なくなっても、走行中にすぐ満充電に戻せることは大きなメリットです。
一方、鉛バッテリーは満充電になるまでに時間がかかることがデメリットです。特に80%以上はさらに速度が遅くなるため、ストレスに感じる人もいるでしょう。
地球環境への負担が少ない
リチウムイオンバッテリーは、鉛バッテリーに比べて地球環境への負担を減らすことができます。1台を長く使えることに加えて、廃棄の際にも再利用やリサイクルが可能です。
一方、鉛バッテリーは約500回で寿命が来てしまうため、1台の使用期間が短いことがデメリットです。
また、鉛や硫酸といった、人体や地球環境に有害な重金属を含んでいるので、廃棄の際には業者に引き取ってもらう必要があります。
毎日の暮らしの中で取り組めるエコが重要視されている今、バッテリーの主流がだんだんとリチウムイオンになるのもムリはないかもしれません。
完全自立型を目指す人に
大容量のリチウムイオンバッテリーを使用すると、RVパークやオートキャンプ場などにある電源設備で充電する回数を大幅に減らすことができます。
キャンピングカーで「完全自立型」の暮らしを目指す人におすすめです。
また、電源設備が少ないエリアを中心に旅行する人も、数日に1回の充電で済むリチウムイオンバッテリーがあれば、ストレスや不安の少ない車中泊ができるようになります。
まとめ:リチウムイオンバッテリーはコストも考えて導入しよう
キャンピングカーで使用するバッテリーには、リチウムイオンバッテリーと鉛バッテリーの2種類があります。今回の記事では、リチウムイオンのメリットについて解説しました。
リチウムイオンバッテリーは、初期費用は鉛バッテリーよりもかかりますが、長期間使えるコスパのよさが大きなメリットです。
また、使用できる電気機器が一気に増えるので、ぐんと快適な旅行ができるようになるでしょう。
ですが、リチウムイオンバッテリーは安い買い物ではないので、迷っている人はゆっくり検討してからでも遅くはありません。価格も数年前に比べて少しずつ下がってきているので、ご自分のタイミングで購入することをおすすめします。
ぜひビルダーのサイトや、実際に導入しているキャンピングカーオーナーのブログなどをチェックしながら決めてみてはいかがでしょうか。
関連記事
キャンピングカーにポータブル電源は必要?用途や注意点
キャンピングカーで発電機は使える?メリットや賢い選び方を解説