チェーンは必要?雪道のキャンピングカー走行に必要な装備とコツ
公開日:2019年12月6日 2021年12月13日 更新- カテゴリー:
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キャンピングカーのさまざまな楽しみ方の中で、運転に十分に注意する必要があるのが冬のレジャーです。雪道は普段以上の安全運転が必要なだけではなく、キャンピングカーならではの注意点もあります。
今回は、キャンピングカーで冬のレジャーを楽しむ際に押さえておきたいタイヤチェーンやスタッドレスタイヤ、運転のコツについてご紹介します。
冬のキャンピングカー、チェーンは必要?
雪道を走る際に有効だと言われているのが、タイヤチェーンの使用です。チェーンを巻いて走ることで摩擦力が大幅に増し、滑りやすい雪道でも比較的安全に走行できるようになります。
しかし、キャンピングカーの場合、チェーンを巻くのは大変で現実的ではないという側面もあります。一般車よりも重量のあるキャンピングカーは、ジャッキで持ち上げるとなるとかなりの苦労がかかります。車体を持ち上げずに巻けるタイプのチェーンを使用するにしても、雪の積もった道や凍った道以外を走る際には都度外さなければならず、レジャーの楽しさが半減してしまうかもしれません。
雪道の安全性を確保するためには、チェーンを巻くよりもスタッドレスタイヤに履き替えるほうがおすすめです。
スタッドレスタイヤの装備がおすすめ
チェーンは雪道走行において安全性を大きく上げてくれますが、その分利便性を大きく損ないます。一方のスタッドレスタイヤは、雪の影響を受けていない道路でも走行でき、チェーンと同じように安全性を上げることが可能です。近年のスタッドレスタイヤは技術力の向上が目覚ましく、かつてはチェーンのほうが安全だと考えられていましたが、今ではチェーンが不要なほどに雪道での走行性能が上がっています。
なお、スタッドレスタイヤに履き替えたからといって乾燥した道路と同じように雪道を走れるわけではありません。雪道を運転する際のコツについては、記事の後半にて解説しています。
キャンピングカーでスタッドレスタイヤを使用する際は、1シーズンごとに新しいタイヤを購入するのがおすすめです。通常スタッドレスタイヤは何年か使うことができますが、キャンピングカーは自重が重く、タイヤの劣化が一般車よりも速く進みます。雪道をより安全に走行するためには、冬の始めに新しいスタッドレスタイヤを付けるようにしましょう。
また、スタッドレスタイヤは駆動輪だけでなく、4輪すべてに装着することが重要です。駆動輪だけスタッドレスタイヤに履き替えた場合は、スタッドレスタイヤの性能がほとんど発揮されません。危険防止のために、安全のための投資は惜しまないことが大切です。
その他冬に積んでおきたいアイテム
冬にキャンピングカーで出かける際には、スコップ、スノーブーツ、ヘッドライトを用意しておくのがおすすめです。
スコップは、車中泊中に雪が降った際のキャンピングカー周りの雪かき、車体の上の雪落とし、万が一スタック(雪などにタイヤを取られて抜け出せなくなること)した際の脱出時に必要となります。雪の多い地域へ行く際には必携のアイテムです。
スノーブーツは、外を歩く際に必要となります。長靴でも代用できますが、温かさを確保できるスノーブーツのほうがおすすめです。
ヘッドライトがあれば両手をふさがずに前方を照らせるため、万が一暗い時間にスタックしてしまったときなど、緊急時に役に立ちます。
上記ではチェーンよりもスタッドレスタイヤがおすすめとご紹介しましたが、雪の深い一部地域においては、チェーン規制でスタッドレスタイヤでも走行が禁止されている区域があります。そういった場所へ行く際は、念のための安全も考え、キャンピングカーにチェーンを載せておきましょう。
チェーンは規制区域に入る前に装備しましょう。チェーン取り付けの際は、雪の深い場所に入る前及び、安全な場所で行いましょう。
なお、スタック時に自身ではどうしようもなくなる場合に備えて、JAFに加入しておくのがおすすめです。ハイシーズンや連休のときはJAFの出動が多くなり、会員以外はどうしても後回しになる傾向があります。
雪道を安全に走るには? キャンピングカー運転のコツ
キャンピングカーで冬のレジャーに出かける際には、スタッドレスタイヤを履いた上で、以下にご紹介する運転のコツを押さえておきましょう。
出発前の準備
雪道では基本的に普段よりゆっくり走ることになるので、出発前にまずは時間に余裕をもったスケジューリングをすることが大切です。夏場と同じような感覚でスケジュールを立ててしまうと、計画していた観光スポットを回れなかったり、遊ぶ時間が短くなったり、到着を急いで事故の危険性が高まったりします。また、冬のレジャーを安全に楽しむためには「気候が厳しければ諦める」など、引き返す心構えも大切です。
出発前にすでに雪が降っていた場合は、車体の上に積もった雪を落としておきましょう。ブレーキの際に雪がフロントガラスへ落ちてくると、事故の危険性が高まります。
低速でABSの作動を確認
雪が積もった道や凍った道に差しかかかったら、急ブレーキを踏んだときにABSがきちんと作動するかを一度確認するのがおすすめです。十分に周りが見渡せる場所で、後方から車が来ないことを確認し、低速で走行しつつブレーキを強めに踏んでABSが作動するかどうかを確認しましょう。
また、可能であれば「どのくらいのアクセルでスリップするか」を確認しておくのもおすすめです。停止状態から強めにアクセルを踏み、スリップが起こる加速具合を体感で確認しておくと、アクセルの加減をつかみやすくなります。
車間距離を2倍に、ブレーキは余裕をもって
雪道ではスリップによる事故を防ぐために、車間距離を普段よりも広く空けて走行することが基本となります。加えてキャンピングカーは自重が重いため、普段の2倍は空けて走行するのがおすすめです。
あわせて、ブレーキは余裕をもってゆっくりかけます。もちろん、走行速度を普段より落とすことも大切です。
なお、一見すると雪がないように見えても、溶けた雪が再び固まって氷になった「アイスバーン」が覆っている場合があります。特にアスファルトの黒色が見える「ブラックアイスバーン」は危険なため、冬の道は基本的に凍っていると考え、晴れた日にも油断しないようにしましょう。
不必要な車線変更は避ける
普通に車線を走行している分には大丈夫でも、車線の間には雪が多く残っていたり氷になった轍が積もっていたりするため、車線変更時にタイヤを取られることがあります。必要な車線変更時に十分に気をつけることはもちろん、無理な追い越しやバス停でのバスの追い越しなどはできるだけ避けましょう。
カーブ時は十分に減速、後方をよく確認
カーブを曲がる際には、特に十分に減速をすることが大切です。自重が重いだけでなく、重心が上がっているキャンピングカーの場合はカーブの際に転倒の危険があるため、カーブの前に減速を完了しゆっくりと曲がるようにしましょう。
また、特にキャブコンなど大きなキャンピングカーを運転する際は車体の後方にも注意が必要です。車体の大きい車の場合、カーブを曲がると車体後部が反対方向へ一度飛び出します。このときに接触する場合があるため、サイドミラーで後方をよく確認しながらカーブに入りましょう。
交差点、下り坂、橋の上は特に要注意
キャンピングカーで雪道を走行する際、特に注意が必要なのが交差点、下り坂、橋の上です。
交差点の中や直前の部分は、停車・発進・カーブ時にできた轍が凍っていたり、停車時のエンジン熱やカーブ時の摩擦により溶けた雪が再び凍ってアイスバーンになっていたりします。カーブ時に限らず、交差点に進入する際は細心の注意が必要です。
スピードが出やすい下り坂では制動距離が長くなるため、確実にスピードを落として走行する必要があります。なお、ブレーキを補助するABSはあくまで急ブレーキ時にタイヤがスリップしないようにするためのものであり、制動距離が短くなるわけではないので、ABS搭載のキャンピングカーでも速度はしっかり落として走行しましょう。
橋の上は風を遮るものが少なく、特に凍結しやすい状態となっています。そこまでの道では雪が一切降っていないとしても、橋の上だけアイスバーンになっている可能性は高いため、橋の上を渡る際にも細心の注意が必要です。
安全には十二分に配慮して冬のキャンピングカーを楽しもう
冬にもたくさんの楽しみ方があるキャンピングカーですが、道路の走行においてはその他の季節に比べて多くの危険があります。どんな危険があるかをしっかり把握し、必要な装備を整え、安全に気をつけて走行することで事故の可能性を大きく減らすことが可能です。
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