キャンピングカーのタイヤの選び方と普通車タイヤとの違い
公開日:2024年6月21日- カテゴリー:
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キャンピングカーのタイヤと普通車のタイヤは、その役割と起こりやすいトラブルなどが大きく異なります。選び方にも関係するので、具体的なチェックポイントをぜひ押さえておきたいものです。
今回の記事では、「キャンピングカーのタイヤトラブルとタイヤの選び方」について解説します。
総重量の大きさや車高の高さなど、キャンピングカーにはトラブルが起こりやすい特徴がいくつかあります。
事故を防ぐためにも、ぜひ車両にきちんと合ったタイヤの選び方を身に着けておきましょう。
キャンピングカーのタイヤと普通車タイヤの違いとは?
キャンピングカーのタイヤと普通車のタイヤの最大の違いは、「耐久性」です。
キャンピングカーのタイヤには、車体と居住スペース、それに乗っている人の重さを合計した負荷が常にかかっています。
停車中でも人が乗り続ける状態のため、普通車よりもずっと丈夫である必要があります。
また、旅行先ではあまり整備されていない道路を走行することも多いため、耐久性の高さも求められます。
タイヤの耐久性は、同乗者の安全に直結します。普通車よりも慎重にタイヤを選び、定期的にチェックする必要があるでしょう。
キャンピングカーに起こりやすいタイヤトラブルとは?
ここでは、キャンピングカーに起こりやすいタイヤトラブルについて解説します。
タイヤトラブルの原因は、放っておくと大事故につながるケースもあります。しっかりと押さえておきましょう。
(1)荷物の積みすぎ
キャンピングカーのタイヤトラブルで最も多いのは、「荷物の積みすぎ」です。
キャンピングカーの居住スペースに、最大限まで荷物を積んでしまう人は珍しくありません。特に、長期間車中泊旅行する人ほどその傾向があると言われています。
ですが、どの自動車にも総重量が定められており、キャンピングカーでもそれは変わりません。
ただでさえ車体や居住スペースなどの負荷がかかっている状態で積みすぎると、タイヤの損傷や燃費の悪化につながってしまいます。
それを防ぐためにも、積める設備や荷物の合計である「最大積載量」を確認しておきましょう。車両製作を依頼したビルダーに聞くのが最もおすすめです。
それ以外に、下記のような計算式で算出できます。
車両重量+(乗車定員数×55kg)=車両総重量
例)車両重量2,000kg+(7名×55kg)=2,385kg
この車両に車に4名で乗る場合は、2385kg-2220kg=165㎏
最大積載量は、185kgです。
家具や荷物は、必ずこの最大積載量に収めるようにしてください。そして、荷物は一つ一つ厳選して積むことを心がけましょう。
(2)荷物を偏って積んでいる
タイヤは、最大積載量を守るだけでトラブルが起こらなくなるわけではありません。車両内に荷物を偏って積むことも、車両の横転やタイヤが破裂する原因になります。
車高が高いキャンピングカーは、普通車よりもバランスが安定しにくく、強風の影響を受けることがあります。
そのため、偏った荷物のせいで車両がアンバランスな状態だと、カーブを曲がる際に横転事故が起きやすくなります。
荷物は、均等の重さになるように注意して積みましょう。
(3)適正な空気圧になっていない
タイヤには適正な空気圧が定められています。その数字を上回っても下回っても、タイヤの寿命は縮まりやすくなるのです。
空気圧が高すぎると、タイヤの中央のみがすり減る「偏摩耗」が起こりやすくなります。この場合、それ以外の部分はまだ摩耗していなくても交換する必要があります。
空気圧が低すぎると、走行中の加熱が原因でタイヤが剥離する「ヒートセパレーション」が起こりやすくなります。
最悪の場合はタイヤが破裂するバーストが起こり、車両周辺の車両も巻き込む大事故になるケースもあります。
2018年に、一般社団法人日本自動車タイヤ協会と一般社団法人日本RV協会が協力して、キャンピングカーの重量測定等タイヤ点検を実施しています。
その結果、65%の車両が空気圧不足でした。
タイヤの適正な空気圧は、運転席のドア付近に「kPa(キロパスカル)」で表記されています。
タイヤサイズによって空気圧は異なるため、実際の空気圧の調整については、自動車修理工場やタイヤ専門店、購入先のビルダーなどに依頼することをおすすめします。月に一度、タイヤの空気圧点検と調整を定期的に行いましょう。
キャンピングカーのタイヤ選びのポイント2つとは?
キャンピングカーで使用するタイヤは、トラブルが起こりにくいものがベストです。ここでは、選ぶ際の具体的なポイント2つについて解説します。
(1)タイヤに表記されている数字を確認する
タイヤには様々な数字が表記されています。
最初からすべての意味を把握するのは少し難しいかもしれません。そのため、まずは最も大切な「ロードインデックス(LI)」を押さえておくことをおすすめします。
例)195/60 R 17.5 112/110 L
195:タイヤの幅(mmもしくはインチ)
60:偏平率(%)
R:ラジアル
17.5:リム直径(インチ)。ホイールのタイヤを組み込む部分の幅。
112:ロードインデックス(LI)(単輪の場合)
110:ロードインデックス(LI)(複輪の場合)
L:タイヤの最高速度を表す速度記号。 Lは120km/h。
ロードインデックスとは、規定された条件下でタイヤが支えられる最大負荷能力を示しています。この負荷能力を超える荷物などを積んで走行すると、摩耗やバーストなどが起こる危険性があります。
キャンピングカーのタイヤ選びの際に、特にチェックが必要です。
(2)キャンピングカー専用のタイヤを選ぶ
キャンピングカーのタイヤには、専用規格である「CP規格」も販売されています。通常のタイヤよりも丈夫で耐久性が高く、160km/h以上の走行性能を持つタイヤに与えられます。
機能的に優れた商品が多いので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
(1)DURAVIS CAMPER/ブリヂストン
「DURAVIS CAMPER(デュラビスキャンパー)は、2013年の販売以来高評価を受け続けているロングセラーモデルです。
このモデルの販売当時は、まだCP規格が日本に導入されていませんでした。そのため、タイヤには「CP規格」ではなく小型トラック用の「LT」と表記されています。
ですが、車体の操縦安定性にも十分配慮されており、1tトラックにも装着が可能です。
バンや小型トラックをベースにキャンピングカーを架装した車両に、特におすすめです。
(2)CROSSCLIMATE CAMPING/ミシュラン
「CROSSCLIMATE CAMPING(クロスクライメート キャンピング)」は、様々な種類のあるクロスクライメートシリーズで「キャンピングカー用」として作られたモデルです。
サマータイヤでありながら雪道も走れる性能が評価され、ユーザーから高評価を受けています。天候によって道路のコンディションが変わりやすいエリアの旅行におすすめです。
ただし、凍結を伴う雪道には使用できません。
まとめ:キャンピングカーのタイヤはぜひ専門業者に相談して
普通車よりも車体の大きなキャンピングカーは、横転のような大事故が起こりやすいデメリットがあります。
そのため、車両の安全に深く関わるタイヤ選びは慎重に行う必要があるでしょう。
ですが、実際に適したタイヤを選ぶためには専門知識も必要なため、専門業者に相談することもおすすめです。
特に、車両を製作したビルダーであれば、最大積載量や荷物をうまく積むコツなども併せて教えてもらえるでしょう。
悩んだら、ぜひビルダーやタイヤ専門業者などのサポートを検討してみてくださいね。
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