キャンピングカーも減産?世界的な半導体不足の現状【2021年12月】
公開日:2021年12月25日- カテゴリー:
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2021年12月現在、長く続く半導体不足によりさまざまな製品の供給状況が遅れていると言われています。自動車においても減産のニュースが出ており、納車時期がいつもより長くなっているケースもあります。
今回は、半導体不足の現状と、キャンピングカーへの影響はどの程度あるのかについてご紹介します。
半導体不足でキャンピングカーも減産?
昨今の供給不足により話題となっている半導体は、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質のことで、多くの場合は電子機器を動かすためのIC(集積回路)を指します。
半導体は人々の生活に深く根付いており、多くの電化製品が半導体によって動作しています。スマートフォンやPCはもちろん、冷蔵庫やエアコン、テレビ、LED電球、インターネット環境を支えるサーバー、自動車など、半導体が使われている箇所は膨大です。
今後ますます重要度を増していく半導体ですが、2020年後半から供給不足に陥っていると言われています。影響は各分野へ広がっており、自動車やキャンピングカーの生産にも一定の影響が見られています。
大手自動車メーカーで減産が続く
半導体不足だけが原因ではありませんが、自動車の製造にも影響が出ており、大手自動車メーカーでも減産のニュースが出ています。例えば、日産自動車やホンダは2021年の世界の通算販売見通しを下方修正しています。
一方で、大手自動車メーカーの2021年9月中間連結決算では、2020年に落ち込んだ販売台数が回復し、大手7社すべてが増収し黒字になったとのことです。半導体不足は2021年12月現在でまだ解消に時間がかかるとされていますが、さまざまな努力により、自動車の生産体制や販売状況には一定の改善が見られていることが分かります。
キャンピングカーにも影響あり
一方、キャンピングカーへの影響はどうでしょうか。
自動車メーカーが製造する自動車をベースに架装するキャンピングカーにおいても、半導体不足の影響は一定数出ています。ベース車の供給が安定的ではなくなっているため、キャンピングカーの納車が遅れるケースも出てきています。
半導体不足の影響は世界的であり、輸入キャンピングカーにおいても供給が不安定になる可能性があります。
また、自動車そのものだけでなく、ETC車載器やカーナビなど、車に搭載する電子機器にも半導体不足のあおりを受けており、機種を選べないなどの影響も出ています。
自動車の生産が滞っている主な理由
キャンピングカーを含め、自動車の生産が滞っているのには主に以下の理由があるとされています。
世界的な半導体不足
大きな原因として挙げられているのは、ここまでもご紹介しているとおり、半導体不足です。半導体不足が起きている原因としては、需要の拡大と供給体制の不安定化と2つの面が指摘されています。
需要拡大の面では、新型コロナウイルスの影響でテレワークや巣ごもりが急拡大し、PCやテレビを始めとした家電の需要が急増したことが挙げられます。また、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ自動車の需要が一気に回復し、生産体制などが追いつかず減産を余儀なくされたという側面もあります。
供給体制の面では、急激な需要の変化に半導体工場が対応できず、各分野への供給のバランスが崩れたことが挙げられます。
2020年12月には、アメリカが中国の半導体大手企業への事実的な禁輸制裁を行ったことがきっかけとなり、台湾や韓国の半導体企業への注文が増え、半導体不足が加速したという見方もあります。
また、自然災害や事故で大型の半導体工場が停止したことも一因となっています。
寒波によるアメリカの半導体工場の閉鎖、水不足による台湾の半導体生産数の低下、地震や火災による日本の半導体工場の生産ストップなど、2021年には災害や事故が相次ぎ、供給体制の乱れが発生しました。
新型コロナウイルスによる影響
自動車の生産が滞っているのには、半導体不足だけではなく、新型コロナウイルスの直接的な影響もあると言われています。
例えば、トヨタは2021年9月に、9月と10月の生産数を約4割減らすと発表しました。主な原因は東南アジアからの部品供給不足であり、新型コロナウイルスの長期的な影響により部品供給元の稼働状況が低下したことなどを挙げています。
東南アジアの部品生産工場は人海戦術で製造に当たっているケースが多く、機械化された工場に比べて人が多く集まる傾向にあります。日本より感染状況が良くない状況の国においては状況に応じて生産ラインを止める必要があるため、部品の供給が滞ってしまうのです。
解決には新型コロナウイルスの影響が小さくなることが大前提であり、まだ先の状況は分からないというのが現状だと言えます。
半導体不足の今後の展望
今後、半導体不足はどのような状況になっていくでしょうか。
2021年11月に世界半導体市場統計が発表した内容によると、2021年の世界の半導体市場規模は2020年比で25.6%のプラスになると予測しています。また、2022年は2021年比で8.8%のプラスになると予測しており、半導体不足が叫ばれる中で、半導体の生産数は確実に回復していることがわかります。
一方で、半導体不足が解消されてきたというニュースはなかなか聞かれず、自動車の生産台数が回復してきたという報告もありません。半導体不足と一口に言っても、原因はさまざまなところにあり、何かが解決すれば不足問題もすぐに解決するものではないと言えます。
半導体の市場規模は回復を続けていますが、2022年もまだ不足解消の具体的な道筋は立てられていないのが現状と言えるかもしれません。
今はキャンピングカーを買わないほうが良いのか?
半導体不足の影響が長期化しており、自動車の納車が遅れることがあるなら、今キャンピングカーの購入は控えたほうがいいのでしょうか?
状況が見えにくい以上、確実なことは言えませんが、キャンピングカーを購入したいと思ったら今すぐ検討を開始するのがおすすめです。
キャンピングカーを欲しいと思う理由は人それぞれですが、家族との時間を過ごしたい、子どもにアウトドア体験を積ませたいという理由で検討する方が多くいらっしゃいます。その場合、家族との時間を楽しめるのは意外にも短いものです。欲しいと思ったら、すぐにでも検討を始めることで楽しい思い出をたくさん作れるようになります。
キャンピングカーはそもそも、基本的には受注生産であり、自分好みのカスタマイズで注文します。出来上がるまでは納車を待つことになるため、半導体不足の状況があるからといって渋ると、そのぶん納車が後ろ倒しになってしまいます。
なお、実際の納車時期や価格について気になることもあるでしょう。その場合も、販売店を訪れ、スタッフにしっかり質問するのがおすすめです。
キャンピングカーの購入時期については、以下のページについてもご参照ください。
キャンピングカーいつ買う?適した購入時期と新車・中古車の違い
また、キャンピングカーの購入には中古車という選択肢もあります。中古車は新車と違い原則として購入したらすぐに納車となるため、自身にぴったりの車両が見つかれば半導体不足の影響を気にすることもありません。
キャンピングカーの中古車について詳しくは、以下のページをご覧ください。
中古でも失敗したくない!キャンピングカー選びでチェックすること
なお、半導体不足の影響により、中古車の価格が上昇している場合があります。中古車の購入を検討する際は、スタッフによく相談するようにしましょう。
欲しいと思ったら情報収集を
世界的な半導体不足は2021年12月現在で継続中であり、いつ不足が解消するかはまだ誰にも分かりません。一方で、製品によって供給状況は異なっているため、悲観するよりも先に、欲しいと思った製品の情報を集めるのがおすすめです。
キャンピングカーについても、半導体不足の影響で納車が遅くなる可能性は否めませんが、自身が欲しいと思ったカスタマイズやカラーはすぐに手に入る可能性もあります。まずは聞いてみなければ分からないため、販売店のスタッフへ遠慮なく質問してみてください。
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