どこでも走れる走破性!オフロード仕様のキャンピングカーについて
公開日:2021年4月23日 2022年11月5日 更新- カテゴリー:
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アスファルトで舗装されていない不整地や悪路を走るための車を、オフロード車と言います。キャンピングカーの中にも、オフロード仕様のモデルがあることをご存じでしょうか?
今回は、高い走破性で道路を選ばないオフロード仕様のキャンピングカーについてご紹介します。
オフロード仕様のキャンピングカー
道路がよく整備され、交通網が発達している日本では馴染みが薄いかもしれませんが、舗装されていない道を走るためのオフロード車も存在します。キャンピングカーは自然の中へ分け入っていくこともあるため、そのような使い方をする方にとってオフロード仕様は相性が良いと言えます。
未舗装路や荒れ地を走るオフロード仕様の車としては、SUVがよく知られています。SUVとはSports Utility Vehicleの略称で、スポーティな走りを楽しむための車です。SUVの中でもクロスオーバーSUVは街乗りにも使えるオールラウンドなタイプで、クロスカントリーSUV(いわゆるクロカン)は荒れ地を走るのに特化したタイプだと言えます。多くのクロカンは強力な走行性能を持つ4WDを採用しており、起伏の激しい場所でもパワフルに走ることが可能です。
現在日本で発売されているキャンピングカーのほとんどは舗装道路を走る想定で作られていますが、キャンピングカー文化が根付いているアメリカや欧州ではオフロード仕様のキャンピングカーも多く走っています。
そもそもキャンピングカーにはどのような種類がある?
アウトドアを思いっきり楽しめるオフロード仕様のキャンピングカーもありますが、そもそもキャンピングカーにはどのような種類があるでしょうか。日本では、主に以下の5つのタイプが乗られています。
軽キャンパー
軽自動車をベースに架装した、キャンピングカーの中では小型のタイプです。本場アメリカや欧州では大型が当たり前のキャンピングカーですが、軽キャンパーは山間部が多く道の狭い日本で独自に進化したキャンピングカーだと言えます。
ベースが軽自動車のため車内スペースの広さには限りがありますが、各ビルダー内装の配置や家具のデザインを工夫し、目的に合わせて快適に使用できるようにしています。また、天井が上に開いて就寝スペースを確保するポップアップルーフを備えたモデルが多くある点も特徴です。
軽キャンパー販売車両
バンコン
商用のバンをベースに架装したキャンピングカーです。多くの荷物を運ぶなどの商用に作られたバンをベースにしているため、車内スペースには余裕があり、モデルによっては家族で出かけるのに適したものもあります。
バンコンは外からの見た目が元のバンからほとんど変わらないため、軽キャンパーと合わせて日常使いにしやすいという特徴があります。
バンコン 販売車両
キャブコン
トラックやバンなどをベースに、後部座席部分を大胆に架装し、キャンピングカーとしての機能を多く詰め込んだタイプです。居住スペースはシェルと呼ばれ、これがあるために最もキャンピングカーらしい見た目をしています。
車体サイズが大きいため日常使いには難しいですが、キャブコンは「動く家」と言われることもあり、さまざまな家具を積み込んで快適な居住性を実現しています。
キャブコン 販売車両
バスコン
マイクロバスをベースに架装した、キャブコンよりもさらに大型のキャンピングカーです。大型の高級なベッドを搭載するなど、高級感のある内装が特徴となっています。マイクロバスは普通免許では運転できませんが、乗車人数が10人以下に限られるバスコンであれば普通免許で運転ができます。
バスコン販売車両
キャンピングトレーラー
トレーラーの内部を架装し、キャンピングカーとして使えるようにしたのがキャンピングトレーラーです。トレーラーなので自走せず、ヘッド車で牽引するという特徴があります。トレーラーの大きさは小型もあれば大型もあり、目的に合わせて選ぶことができます。
キャンピングトレーラー 販売車両
世界のオフロードキャンピングカー
キャンピングカーの市場も欧米に比べるとまだまだ小さく、日本ではオフロード仕様車も多くありませんが、世界を見てみると多くのオフロード仕様のキャンピングカーがあります。
オーストラリアのキャンピングトレーラー「EXP-6」
オーストラリアのキャンピングカービルダー「ブルーダー」により、どんなコンディションでも走れるように作られたのが「EXP-6」です。同じく走破性の高いSUVで牽引することで、荒れ地や砂漠、砂浜、さらには浅めの川まで走破してしまいます。
軍用車を思わせる無骨な見た目も特徴ですが、内装は一転してラグジュアリーで、広々としたベッドや冷蔵庫、車内外どちらでも使えるシャワーなどを装備し、快適に過ごせるようになっています。
アメリカを代表するオフロード車「Jeep Wrangler」
アメリカのオフロード仕様車として、ジープの名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。ジープにはJeep Wranglerというアクション性の非常に高いキャンピングカーがあり、ポップアップルーフ付きのシェルを搭載し高い居住性を実現しています。シェルを架装することでオフロード性能が落ちないように工夫もされており、どんな場所でも突き進んで宿泊することができます。
Earth Roamer XV-LTS
オフロード性能を突き詰めつつ、キャンピングカーとしての機能性も両立しているのがEarth Roamerの「XV-LTS」です。
Earth Roamerはアメリカコロラド州に拠点を置くキャンピングカービルダーで、どこにでも行ける車両を作ることを目指しています。XV-LTSはそのミッションを見事に体現したモデルであり、圧倒的なオフロード性能でどこへでも行ける走破性を確保しつつ、キングサイズのベッドや広々としたキッチンなどを利用できます。
また、圧倒的大容量の燃料タンクや、電化製品を安心して使うためのソーラーパネルを搭載しており、補給なしで長距離・長期間を走破できるオフグリッドカーとしても破格の性能です。
日本におけるオフロード仕様のキャンピングカー
道路が張り巡らされている日本でも舗装されていないハードなコンディションの道はあり、そういった場所へ挑戦していくならオフロード仕様車が必要となります。日本ではどのようなオフロード仕様のキャンピングカーがあるでしょうか?
海外のキャンプ場ではよく見かける
上記にてご紹介したモデルは極端な性能を持つキャンピングカーですが、シビアなコンディションで走ることの多いアメリカや欧州ではオフロード仕様のキャンピングカーが多く走っており、展示会でも広い面積を占めます。
ただし、このような海外製のオフロード仕様キャンピングカーは輸入されていることもほとんどなく、日本にいて購入するのは難しいと言えます。
国産のオフロード仕様キャンピングカー
本格的なオフロード仕様とは言えないまでも、国産のオフロード仕様キャンピングカーはあります。
オフロード仕様の軽キャンパー「リトルモンスター」
日本のキャンピングカービルダーであるNEXT LIFEが販売しているのが、オフロード仕様のエッセンスを存分に取り込んだ軽キャンパー「リトルモンスター」です。
リトルモンスターは軽キャンパーとしては一般的なベース車、スズキ・エブリィをベースにしていながら、車高を上げてオフロードタイヤを履くことでシビアなコンディションでも走れるようにしています。また、前面・背面に取り付けられたバンパーやルーフキャリア、ルーフトップランプなどがオフロード感を高めています。2人旅を想定して作られたキャンピングカーですが、趣味に没頭する1人旅にもおすすめです。
EXPEDITION EAGLE
EXPEDITION EAGLEは、日本特種ボディーが手掛けているキャンピングカーです。いすゞが日本特種ボディーのみに提供しているキャンピングカー専用シャシー「新Be-cam」をベースに作られており、悪路での走破性を目指した日本では珍しいモデルとなっています。
オフロード仕様としては、例えば前輪とバンパーの角度を指す「デパーチャーアングル」が大きく確保されている点が挙げられます。EXPEDITION EAGLEでは一般的なキャンピングカーの約2倍のデパーチャーアングルとなっており、山道などで大きな段差があっても乗り越えやすくなっています。
その他、内装にもさまざまな工夫がなされており、災害時にも強い仕様となっています。
オフロード走破性の高いトラックキャンパー
キャンピングカーの中でも、比較的オフロード走破性が高いと言えるのが、上記にてご紹介したどのキャンピングカーとも違う「トラックキャンパー」です。
トラックキャンパーは、軽トラやピックアップトラックなどの荷台を持つ車に取り外し可能なシェルを乗せるタイプのキャンピングカー。シェルの中身は他のキャンピングカーと大きく変わりませんが、取り外しにより2Wayで使えるのが大きな特徴です。
日本での取り扱いは少ないですが、ベース車にピックアップトラックを選択すれば、悪路での高い走破性を確保できます。
キャンピングカーをオフロード仕様にするには?
すでに所持しているキャンピングカーでも、カスタム次第である程度のオフロード性能を付与することができます。
リフトアップする
車のカスタマイズの1つとして、タイヤの位置を車体から離し、車高を上げる「リフトアップ」があります。
見た目や乗り心地を変えるために行うカスタマイズですが、リフトアップすることでデパーチャーアングルが確保され、高い段差でも超えやすくなります。
オフロード仕様のタイヤに履き替える
タイヤを替えることで、キャンピングカーをオフロード仕様にすることもできます。具体的には、タイヤには都市での走行に優れたHTタイヤ、不整地での走行に優れたMTタイヤ、その中間のATタイヤの主に3種類があります。
現在履いているタイヤよりも不整地寄りのタイヤに替えることで、オフロードでの走破性を増すことができます。
スタッドレスタイヤについて
オフロードとは少し違いますが、冬の時期にもアウトドアを楽しみたいなら、スタッドレスタイヤについても知っておく必要があります。
スタッドレスタイヤは雪道での走行に適したタイヤであり、雪の多い地域では都市での走行でも欠かせません。スキーなどで郊外から山道に近い道を走る場合には、スタッドレスタイヤは必須となります。
雪道におけるキャンピングカーの装備については、以下の記事もあわせてご覧ください。
キャンピングカーでも雪道は走行できる!必要な装備や対策をご紹介
パワフルに走れるオフロードキャンピングカー
日本で乗れるオフロード仕様のキャンピングカーは少ないですが、荒れ地や雪道をものともせずに走破できるキャンピングカーは世界では人気ジャンルの1つとなっています。シビアなコンディションでのキャンプやアウトドアを楽しみたいという方は、オフロード仕様に注目してキャンピングカーを探してみるのも良いかもしれません。
フジカーズジャパンでは、キャンピングカーの装備やアウトドア全般の記事も多く掲載しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
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