間取りもチェックしよう!キャンピングカーの主なレイアウト
公開日:2023年6月9日 2023年11月22日 更新- カテゴリー:
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車内にベッドなどを備えて快適な車中泊が楽しめるのがキャンピングカーですが、実用面を考えると気になるのは車内の間取りではないでしょうか。同じような設備のキャンピングカーでも、レイアウトによって使い勝手が変わり、人によって適したモデルが変わってきます。
今回は、キャンピングカーによってどのような間取りの違いがあるのかについてご紹介します。
間取りを大きく左右するキャンピングカーのタイプ
キャンピングカーはモデルによって細かく間取りが異なってきますが、タイプによって大まかな特徴があります。
軽キャンパー
軽自動車をベースに作られているのが、軽キャンパーです。軽自動車同様、日本独自に発達したキャンピングカーのタイプであり、コンパクトなボディにキャンピングカーとしての機能性を詰め込んでいます。
一方で、どうしてもボディサイズが小さいことから空間には限界があり、ある程度の機能性をカットしていたり1人用として割り切っていたりします。
バンコン
トヨタ・ハイエースなどの商用バンをベースに作られているのが、バンコンです。バンを変形(コンバージョン)させていることから、バンコンと呼ばれています。街中で見ると大きなバンでも、キャンピングカーとしては中型の部類で、キャンピングカーの機能性と取り回しの良さをバランス良くまとめたタイプだと言えます。
日本のキャンピングカーとしては最も数が多く、さまざまな間取りのモデルがあります。
キャブコン
商用バンやトラックなどをベースに、専用のシェルを荷台に架装して作られているのがキャブコンです。トラックの荷台部分や、バンの後部部分を切り取ったところにキャンピングカー専用のシェルを増設するところに特徴があり、車内スペースは軽キャンパーやバンコンよりもかなり広くなります。具体的には、成人男性でも立って歩けるほどの高さがあり、多くのキャブコンでは入り口から後部まで歩ける通路があります。
キャンピングカーと聞いて想像する見た目をしているのがキャブコンであり、旅に出かけて車中泊するには便利ですが、街中では小さい道や駐車場探しに苦労することがあります。
キャンピングトレーラー
トレーラーの中にキャンピングカーとしての機能性を詰め込んだのが、キャンピングトレーラーです。トレーラーなので自走はできず、ヘッド車につないで牽引します。車両総重量が750kg以下の小型のタイプであれば牽引免許は必要なく、ヘッド車が運転できればそのまま牽引できます。
キャンピングトレーラーは小型から大型までさまざまなタイプがあり、使いたい用途や人数で大きさを選べます。自走機能がない代わりにトレーラー内部を効率良く使った間取りが多いですが、走行中は乗車できない点に注意が必要です。
軽キャンパーの間取り例
軽キャンパーは小型の軽自動車をベースにしていることから、スペースを有効活用するために目的に合わせた設備で割り切ったモデルが多くあります。例えば、多くのキャンピングカーに装備されているギャレー(キッチンスペース)を持たず、座席のみで構成されたモデルがあります。反対に、ギャレーや就寝定員など8ナンバー(特種用途自動車)の条件を満たし、税制の優遇を得られるようにしたモデルもあります。
座席は元の軽自動車と同じように前を向いたものや横シートを採用したものもありますが、軽キャンパーではレイアウト変更により座席がベッドとして展開できるモデルがほとんどです。
軽キャンパーでベッド展開するとフルフラットのベッドが作れるので、乗用車で車中泊するよりもしっかりと睡眠が取れます。モデルによってはレイアウト変更で2段ベッドを構築したり、ベッド(座席)の下に収納スペースを作ったりするものもあります。
屋根部分を上部に跳ね上げる「ポップアップルーフ」を備えたモデルでは、ポップアップ部分をベッドや停車中の一時的な収納スペースとして利用できます。
バンコンの間取り例
バンコンは主にトヨタ・ハイエースをベースに作られており、軽キャンパーに比べると車内スペースには余裕がありキャンピングカーとしての機能性も十分に詰め込まれています。
一方で、近年はより小型のバンをベースにした取り回しのしやすいモデルも登場しており、そういったモデルは一定の機能性を制限していることもあります。
座席の間取りとしてよくあるのは、2列とも前を向いているレイアウト、コの字に配置されたレイアウト、ハの字で向かい合っているレイアウトなどです。軽キャンパーと同様に、就寝時にはレイアウト変更でベッドとして使用したり、停車時には座席の向きを変えてダイネット(リビングスペース)を作ったりできます。
多くは着脱可能なテーブルがあり、食事や団らんを楽しむことができます。
コンロやシンク、冷蔵庫から構成されるギャレーは多くのバンコンに備えられています。ギャレーの位置は左のドアから入って正面(車内中央の右)にあることが多いですが、後部に位置していることもあります。
キャブコンの間取り例
キャブコンは上記でもご紹介したように広々とした車内スペースが特徴であり、1つの家がそのまま走っているかのような使い勝手ができるようになっています。
一方で、乗車人数や就寝定員が軽キャンパーやバンコンより多いとは限らず、利用人数を4人程度に絞って悠々と使えるようにしたモデルもあります。
キャブコンの大きな特徴として挙げられるのは、就寝時にレイアウト変更が必要ないモデルが多い点です。スペースに余裕があるためベッドは常設されていることが多く、多くは後部に2段ベッドや縦向き2列のベッドが設置されています。また、運転席の上部にせり出した「バンクベッド」を備えたモデルも多く、基本的には大人2人が眠れるスペースがあります。
一方で、常設ベッドと合わせてダイネットをベッドとして展開できるモデルもあり、そういったモデルは就寝定員が多めです。海外製の特に大型のモデルだと、走行時には天井に収納しておく電動プルダウンベッドが備えられていることもあります。
座席の間取りとしては、左のドアから入ってすぐ正面に座席が配置されていることが多く、コの字やL字、向かい合いの横向きシートなどモデルによってさまざまです。ギャレーは後部左側に設置されていることが多く、後部右側にトイレなどを設置できるマルチルームを備えているモデルも多くあります。
キャンピングトレーラーの間取り例
キャンピングトレーラーは自走機能がないこと、走行中に人が乗らないことから間取りの自由度が高く、ある程度似通うことの多い他のタイプと比べて個性が出やすいと言えます。特に座席は走行時のレイアウトを考える必要がないため、コの字やハの字などパターンが多く、また位置変更の機能はあまりありません。小型のトレーラーであれば、バンコンなどと同じくダイネットがベッドに変形するものもあります。
キャンピングトレーラーならではの特徴としては、ギャレーが広めに作られていることが多い点にあります。他のモデルでは間取りの都合もありできるだけコンパクトにまとめられていることが多いですが、トレーラーの場合は自由度が高いためかギャレーの大きさに余裕があります。また、小型でも常設ベッドを備えているモデルが多くあります。
間取りも細かくチェックしてみよう
ここまでご紹介してきたように、キャンピングカーの間取りに注目してみるといろいろなパターンがあることが分かります。似たようなレイアウトでも細かい使い勝手には差がある場合もあるため、購入前には販売店などで実際に車両を確認し、レイアウト変更なども試してみると良いでしょう。
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