なぜハイエースが多いのか?キャンピングカーのベース車について
公開日:2022年6月3日 2024年11月22日 更新- カテゴリー:
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キャンピングカーは1から作られるのではなく、すでに自動車として完成されている車から専用の架装を行って作られます。そのベース車として人気の車の1つが、トヨタ・ハイエースです。
今回は、キャンピングカーベース車としてのハイエースの特徴や、ハイエースから作られたキャンピングカーモデルをいくつかご紹介します。
キャンピングカーのベース車「ハイエース」について
キャンピングカーのほとんどは、自動車メーカーが作った車をベースに、専門のビルダーが架装して作ります。
シート配列を変えて快適に過ごせるようにしたり、ベッドを展開できるようにしたり、スペースを拡張して中で広々と過ごせるようにしたりと、架装の内容はさまざまです。
架装によって車体が大きくなることもありますが、キャンピングカーの大きさはおおむねベース車によって決まります。この記事でご紹介するハイエースをベースに作ればその大きさになり、大型トラックをベースに作れば大きなキャンピングカーが出来上がります。
特に日本では軽自動車をベースにしたキャンピングカーも多く作られており、その場合は軽自動車の規格を超えないように横幅は拡張しないのが一般的です。中には、軽トラをベースにしつつ横幅を拡張し、普通乗用車の規格に変更するモデルもあります。
キャンピングカーのベース車の中でも特に人気の1つが、ハイエースです。
なぜ人気なのか?
ハイエースがキャンピングカーのベース車として人気の理由として、ハイエースが商用車であり、多くの荷物を載せて運ぶことを想定した車であることが挙げられます。キャンピングカーは車内に居住スペースを作り、家具や家電などを設置して快適な空間を作る特徴から重量が重くなりがちなので、走行性能の高い車が選ばれます。
また、サイズ展開が多く、さまざまなニーズに合ったキャンピングカーを作りやすいのもハイエースが人気である理由の1つです。
ハイエースのボディタイプ
現行モデルである第5世代のハイエースには、4つのボディタイプがあります。
・標準ボディ/標準ルーフ/ロング
・標準ボディ/ハイルーフ/ロング
・ワイドボディ/ミドルルーフ/ロング
・ワイドボディ/ハイルーフ/スーパーロング
横幅が2種類、高さが3種類、計4種類と覚えることができます。
「標準ボディ/標準ルーフ/ロング」はハイエースの中でも小型のタイプで、運転時の取り回しの良さに特徴があります。
「ワイドボディ/ハイルーフ/スーパーロング」は大型になるので、車内が広く、充実した装備が特徴のモデルが多くあります。
似たような車として、ハイエースよりも大きいトヨタ・グランエースや、さらに小さいトヨタ・ライトエースなどもベース車として選ばれています。
どのようなキャンピングカーがある?
キャンピングカーはその大きさやベース車の種類によって、いくつかの種類に分けられます。ハイエースをベースにしたキャンピングカーの場合は、バンコンかキャブコンに分類されます。
バンコンは多くの場合、バンをベースに内装のみを架装したタイプを指します。大きな車体を活用しつつ外観はそのままなので、快適性と利便性のバランスの取れたタイプだと言えます。
キャブコンは、運転席部分を残して専用のシェルを架装したタイプを指します。そのため、大型で居住スペースが広く作られている点が特徴です。
厳密な区切りはありませんが、ハイエースの場合は中身だけ架装したらバンコン、後ろ部分をカットし大きく拡張したらキャブコンになるというイメージになります。
ハイエースベースのバンコン
ここでは、ハイエースをベースに作られたバンコンを3つご紹介します。
ナッツRV「ラディッシュ」
ラディッシュは、ナッツRVが手掛けるハイエースベースのバンコンです。ワイドボディ/ハイルーフ/スーパーロングを採用し、ゆったりとくつろげるレイアウトを採用しています。
ベッドの展開・収納は簡単に行うことができ、走行中は5人が乗車、停車中は子ども含む5人までが就寝できます。
ソファなどの家具にはPVC素材を採用し、車体の軽量化と美しさを実現。高い断熱性と吸音性を備えた快適なボディや、さまざまな活用方法のあるリアスペース、深めで使いやすいキッチン、外でも使えるシャワーヘッドなど、充実の機能を備えています。
トイファクトリー「バーデングランデ」
バーデングランデは、トイファクトリーが手掛けるハイエースベースのバンコンです。ワイドボディ/ハイルーフ/スーパーロングを採用しており、乗車定員は7人、就寝定員は5人となっています。
車体が大きいため大人がゆったりくつろげるほどベッドが広く、天井も高く使い勝手の良いバンコンになっています。
バーデングランデは、高級感のあるカラーリングで内装が洗練されている点もポイント。バンコンの中では収納スペースも広く、荷物の多い旅にも適しています。
FOCS VERTICE
FOCS VERTICE(ヴェルティス)は、フジカーズジャパンが手掛けるハイエースベースのバンコンで、FOCSシリーズの1つです。
FOCSは高い断熱性などの機能性や丁寧な家具作りが特徴のシリーズで、FOCS VERTICEはワイドボディ/ハイルーフ/スーパーロングを採用した大型のモデルになります。
乗車定員は7人で、就寝定員は4人。グリーンやホワイト、木目をベースにしたインテリアは落ち着きがあり、座席は3通りのレイアウトでシーンに合わせた使い方ができます。
冷蔵庫や遮光カーテン、サブバッテリー、外部充電用のコンバーターなどは標準で装備されています。
ハイエースベースのキャブコン
ここでは、ハイエースをベースに作られたキャブコンを3つご紹介します。
RVトラスト「TR500 C-LH」
TR500 C-LHは、RVトラストが手掛けるハイエースベースのキャブコンです。大きなバンクベッドを備える形で架装されており、中は広々と立って歩けます。乗車定員は4人、就寝定員は大人4人と子ども2人です。
ダイネットはゆったり談笑できるレイアウトで、展開すると広いベッドになります。キッチンはコンパクトに作られており、広い居住スペースを実現しています。
ファンルーチェ「セレンゲディ」
セレンゲティは、ファンルーチェが手掛けるハイエースベースのキャブコンです。乗車定員は7人、就寝目安は5人で、大人3人が寝られる大きなバンクベッドの他、展開・収納の必要がない常設2段ベッドを備えています。
居住スペースの広いキャブコンらしくマルチルームを備えており、ポータブルトイレを置いてレストルームにするなどさまざまな使い方が可能です。
アネックスキャンピングカー「エディ」
エディは、アネックスキャンピングカーが手掛けるグランドハイエースをベースにしたキャブコンです。グランドハイエースはハイエースとは仕様が異なりますが、車体がさらに大きく、エディも広々とした居住スペースを特徴としています。
広いバンクベッドはもちろん、キッチンスペースがL字で広々と使えるため、車内で料理することの多い長旅にぴったりです。
さまざまな選択肢から吟味しよう
ここまでご紹介してきたように、ハイエースベースだけで見てもさまざまなキャンピングカーがあることが分かります。
キャンピングカーを選ぶ際は、いろいろなモデルの特徴を吟味し、自身や一緒に使う家族、パートナー、友人が快適に過ごせるモデルを選ぶようにしましょう。
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