キャンピングカーのEV車とは?種類やEV車のメリットをご紹介
公開日:2023年10月20日- カテゴリー:
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近年、環境問題への意識がますます高まっていることもあり、世界的に電気自動車(EV車)が増えています。知名度の高い自動車メーカーの大半はEV車を販売しています。
ですが、キャンピングカーにもEV車の販売があるのかどうか、気になる人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、「キャンピングカーのEV車」をテーマに解説します。世界と日本のEV車の現在、EV車のメリット・デメリットなどを紹介します。
キャンピングカーの最新モデルを知りたい人や、買い替えの際にはEV車を視野に入れている人なども、ぜひ参考にして下さいね。
【1】海外と日本 キャンピングカーのEV車とは?
最初に、海外と日本には現在どのようなキャンピングカーのEV車があるのか解説します。
本格キャンピングカーのEV車は世界的にも種類が少ない
海外でも日本でも、電気自動車(EV車)のキャンピングカーはまだ種類がとても少ないのが実状です。
海外、特に欧米には、キャンピングカーで旅行する文化が根付いています。そういった背景から豊富な種類のキャンピングカーが販売されていますが、そのほとんどがガソリン車かディーゼル車です。
キャンピングカーとして作られたEV車は、人気自動車メーカーでも1台あるかどうかというほど稀少です。さらに、生産数が非常に少ないため入手しにくく、そのうえ高額です。
そのため、EV車での車中泊旅行を検討している場合は、EV車をベースにした車中泊仕様車をビルダーに加工してもらうことをおすすめします。そのほうが現実的で、自由度も高い車両が手に入るでしょう。
多くの自動車メーカーが、キャンピングカーのEV車を市場で販売するために開発中だという情報発信をしています。ぜひ今後に注目しましょう。
日本初のEVキャンピングカー「moonn. T-01」とは
日本でキャンピングカーでの車中泊旅行がこれほど注目されるようになったのは、つい最近です。コロナ禍でも同乗者以外とあまり接することなく安全に旅行できるため、ここ数年で一気に広まりました。
そのため、海外に比べると車中泊の歴史そのものが浅いのですが、それにもかかわらず、日本にはEV車の国産キャンピングカーが開発・販売されています。
それがCarstay株式会社(以下Carstayという)の「moonn. T-01」です。
moonn. T-01は、CarstayがEVメーカーHW ELECTROと共同開発した、日本初のキャンピングカーのEV車です。ちょうど2023年8月に発売されたばかりです。
乗車定員・就寝定員は2名ですが、冷蔵庫や大型テレビなども搭載できるほど空間に余裕があります。
「動くリビング」がコンセプトのため、100Vの家庭用電源があり、電子レンジや冷蔵庫、IH調理器なども使えます。
また、車高が2,045mmなので地下駐車場や立体駐車場にも停めることができ、普段使いしやすいこともメリットです。
自動車を災害時の自主避難場所として使いたい人にもおすすめです。
費用相場は、標準装備の価格が1,150万円~です。Carstayは、今後1年間で販売台数20台を目指すと発表しています。
【2】キャンピングカーのEV車 メリットとは
キャンピングカーのEV車のメリットについて、ぜひチェックしておきましょう。
〈1〉アイドリングなしで停車後もエアコンを使える
車中泊の際、車内の温度によっては停車後にもエアコンを使いたいこともあります。
ですが、ガソリン車やディーゼル車の場合はアイドリングしなければならず、それをストレスに感じたり、あるいは仕方なくエアコンを我慢していた人もいるのではないでしょうか。
アイドリングのないEV車であれば、停車後にも無音でエアコンを使い続けられます。「環境への負担もなく、自分も快適に過ごしたい」という人におすすめです。
〈2〉走行コストがガソリンよりも安い
キャンピングカーで日本一周した先輩オーナーの経験談を読むと、予想していたよりもかかった費用として「ガソリン代」を挙げている人が大勢います。
EV車とガソリン車で同じ距離を走行した場合、走行コストはEV車のほうが安くなることが一般的です。
また、自宅での充電や、RVパークでの無料充電などを上手に使うことで、電気代はさらに抑えることもできます。
〈3〉RVパークで充電できる
日本にはここ数年でRVパークが全国各地に増えており、さらに車中泊がしやすくなりました。
EV車が充電するための「EV充電(充電スタンド)」を備えているところも多くあります。短時間で充電を終えられる「急速充電」を備えているところもあるので、積極的に利用しましょう。
RVパークにEV充電があるかどうかについてはインターネットでチェックできるので、出発前に確認しておくことをおすすめします。
【3】キャンピングカーのEV車 デメリットや注意点とは
とても快適で、環境にも貢献できるキャンピングカーのEV車。ですが、もちろんデメリットや注意点などもあるので、ぜひ押さえておきましょう。
〈1〉販売台数が少なく手に入りにくい
日本でも海外でも、キャンピングカーのEV車はまだまだかなり少ないことがデメリットです。普通自動車のEV車を数多く販売している自動車メーカーでも、キャンピングカー仕様はほとんどありません。
稀にキャンピングカー仕様のEV車があっても、レンタルのために作られたメーカー特注であることが一般的です。
そのため、ガソリン車やディーゼル車のように「数え切れないほどあるモデルの中から選べる」というよりも、「世界中に複数台しかない中から選ぶ」というのがキャンピングカーのEV車の現状です。
〈2〉充電できる場所が少ない
EV車の充電ができるEV充電(充電スタンド)は、国内に年々増えてきてはいるものの、やはりガソリンスタンドに比べるとまだ少ない状況です。RVパークや道の駅などには設置してありますが、すべての市町村で利用できるとは言えません。
そのため、EV車で中長期的な旅行をする人や遠距離を走行する人、地方を旅行する人は、EV充電の場所をあらかじめ細やかに調べておくことをおすすめします。
〈3〉日本では手に入らないモデルもある
EV車に限らず、今のところキャンピングカーは海外製のほうが圧倒的に豊富です。そのため、素敵だと思うモデルがあっても日本ではなかなか手に入らないこともあります。
ですが、キャンピングカーや車中泊をめぐる日本の状況は、これまでとは大きく異なってきています。車中泊は2009年ごろから楽しむ人が少しずつ増え、今ではすっかり人気の旅行スタイルの一つとして定着しました。
そのため、これまでは憧れるだけだった海外製のキャンピングカーも、今後は国内で販売される可能性があります。
まとめ:キャンピングカーのEV車 これからは国産にも期待大!
日本も世界も、現在キャンピングカーのシェアの大半をガソリン車とディーゼル車が占めており、EV車はこれからです。
ですが、そのような状況で日本企業が日本初のキャンピングカーEV車が販売開始したのは、とても心躍らされるニュースではないでしょうか。
Carstay株式会社の「moonn. T-01」は、2023年8月に発売されたばかりです。まだ販売台数は少ないものの、自家用車としても使いやすいサイズのため、自動車を自主避難場所や書斎として使いたい人にもおすすめです。
キャンピングカーのEV車という新しいジャンルに対して、他の自動車メーカーはどう続くのか、これからも目が離せません。
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