トヨタ・カムロードがキャブコンのベースとして唯一無二な理由を解説
公開日:2022年10月7日 2024年8月20日 更新- カテゴリー:
目次
キャンピングカーの中でも大型のタイプはキャブコンと呼ばれ、国産のキャブコンの多くはトヨタ・カムロードをベースに作られています。カムロードはキャンピングカー向けに作られた特別仕様車であり、キャンピングカーの機能性を上げるさまざまなカスタムが施されています。
今回は、キャブコンのベースとなるカムロードの特徴や歴史、カムロードがほとんどのビルダーで採用されている理由などを解説していきます。最後にはカムロードベースのおすすめキャンピングカーモデルについてご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
カムロードとは
キャンピングカーは、車内にベッドやリビングスペース、キッチンなどを備え、快適に車中泊ができるようにした車両です。製造時は1からキャンピングカーとして作られるわけではなく、キャンピングカービルダーが既存の車をベースにして架装します。
キャンピングカーの元となる車はベース車と呼ばれ、カムロードもそのひとつです。
その他にも、ベース車でよく使用される車種は以下のようなものがあります。
・バンコン:トヨタ・ハイエース
バンコンとは、バンベース、ワンボックス、ミニバンなどをベースに、車体の外装はそのままの状態でキャンピングカーに架装したタイプの車両です。「バン」を「改造(コンバージョン)」したキャンピングカーなので「バンコン」と呼ばれます。
バンコンのベース車としてよく使用されているのはトヨタ・ハイエースです。
一言にハイエースといっても多様なグレードがあり、ガソリン車、ディーゼル車、2WD、4WD、ボディー形状など選択肢の広さからキャンピングカーのベース車として人気があります。
・ 軽キャンピングカー:スズキ・キャリイ
軽キャンピングカーは、価格やサイズから導入がしやすく、カップルや夫婦・一人旅用として最近人気となっています。
中でも軽キャンピングカーのベース車として人気なのは「スズキ・キャリイ」です。
キャリイは軽トラックタイプで、乗車は2名までしかできませんが、架装することで軽トラックの荷台とは思えないほど広い居住空間を確保することができます。
また、バンタイプとは違い高さを出すことができる点も軽トラックタイプの利点になります。
こうしたベース車は基本的に一般販売されているものと同じであり、ビルダーが購入してキャンピングカーとしての架装を行います。そのため、走行性能や車のサイズ感などは、ある程度ベース車の性能に依存することになります。
一方、キャブコンのベース車として広く採用されているカムロードは一般販売されている車両ではなく、キャンピングカー向けにカスタムされた特別仕様車となります。
キャブコンのベース車としては他の車両も採用されていますが、カムロードは始めからカスタムされているため、多くのビルダーがベース車として採用しているのです。
キャンピングカーのベース車についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
「キャンピングカーのベース車をタイプ別にご紹介」
トヨタ・カムロードがキャブコンのベース車として多く利用されている理由
ここでは、多くのキャブコンのベース車であるカムロードについてさらに掘り下げていきます。
トヨタ・カムロードは唯一無二の特別仕様
キャンピングカーの中でもキャブコンの事情は特殊で、国産キャブコンのほとんどはカムロードをベースに製造されています。
一方、他のタイプのキャンピングカーの場合は、人気の車両はあるものの、唯一無二と言えるベース車はありません。
カムロードがキャブコンのベース車として唯一無二の存在となっているのは、キャンピングカー向けの特別仕様車がカムロードしかないためです。
他のトラックを採用する場合、ビルダーはまずキャンピングカー向けのチューニングを施す必要があるため、始めからカスタム済みのカムロードが選ばれるのです。
カムロードのチューニングとしては、まず走行充電の安定性アップが挙げられます。
キャンピングカーでは走行中にメインバッテリーからサブバッテリーへの充電を行い、停車中でもエアコンなどの家電を使用できるようにします。カムロードではオルタネーターの発電量をアップさせることで、サブバッテリーへの充電安定性が増しています。
また、車高と重心が高くなりがちなキャブコンにおいて走行性能が安定するように、カムロードではリアタイヤ(後輪)が標準でワイドトレッドになっています。
ワイドトレッドとはタイヤとタイヤの距離が広く取られた状態を指し、走行安定性がアップします。
カムロードの歴史
カムロードが初めて登場したのは1997年。
カムロードのベースとなっているのはトヨタの小型トラックである「ダイナ」であり、さらに元をたどれば、ダイナは日野・デュトロのOEM車です。カムロードは日本RV協会がトヨタに依頼し、ダイナをベースにカスタムすることで誕生しました。
カムロードという名前がついたのは1998年のことで、「Camper(キャンパー)」と「Roadability(走行性)」を合わせた言葉です。
その後は2001年、2013年にモデルチェンジしており、ガソリン仕様車が追加されるなど変化していきます。
ベース車にカムロードが使われることが多い大型のキャンピングカー「キャブコン」について、もっと知りたい方はこちらの記事がおすすめです。特徴や選び方、人気ランキングをご紹介していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
「キャブコンはどんなキャンピングカー?特徴や人気ランキングをチェック!」
2021年にカムロード4代目が登場
カムロードは2021年に4度目のフルモデルチェンジが行われました。最新の技術が搭載されたカムロードの登場で、国産キャブコンの性能も向上することが期待されています。
改善されたポイントとして、エンジンとミッションが新しくなった点が挙げられます。特にディーゼルエンジンモデルはパワーと静寂性が両立しており、加速などにおいて従来のキャブコンよりもスムーズな運転が期待できます。
また、リアタイヤはすべてのモデルでダブルタイヤが標準となり、安定性が向上しています。
安全性能が大きく改善したところもポイントです。フロントバンパーにはミリ波レーダーを、フロントグリル内にはソナーセンサーを、フロントウィンドウ上部にはカメラを装備し、走行時の安全性を上げています。
カムロードベースのキャブコンに乗るときに気になる燃費については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひ合わせてチェックしてみてください。
「カムロードの燃費はどれくらい?キャンピングカーのベース車を解説」
カムロードベースのキャンピングカー
ここでは、カムロードをベースにしたキャブコンを3つピックアップしご紹介します。
バンテック「レオバンクス」
バンテックが手掛けている「レオバンクス」は、広々とした車内スペースが確保されており、乗車人数の多いキャブコンです。乗車定員は8名で、就寝目安は大人が6名・子どもが2名となっています。
運転席の上部にせり出した大きなバンクベッドが特徴で、大人3名が眠れる広さとなっています。バンクベッドは折りたたむことが可能で、就寝時以外は車内を広々と使えます。
リビングスペースを指すダイネットはテーブルの前後をソファが挟むオーソドックスなスタイルで、ベッドに展開することが可能。キッチン設備を指すギャレーの横には1人用の座席があり、下には収納スペースがあるため便利に使用できます。
車体の後ろには延長リアラダーが装備されているなど、使い勝手の良いキャンピングカーです。
レオバンクスについて詳しくはこちら
ナッツRV「クレソンジャーニーエボライト」
ナッツRVが手掛けている「クレソンジャーニーエボライト」は、新しい電装システムや高い断熱性能を備えたキャブコンです。クレソンジャーニー専用の電装システムである「エボライト」は、高速で充電することにより家庭用エアコンもノンストレスで使用できることを謳っています。
また、新しいパネル構造を採用することにより車体の断熱性能を高め、真夏や真冬の旅でも快適さを保ちやすくなっています。
クレソンジャーニーエボライトの乗車定員は7名、就寝定員は大人5名・子ども2名です。
内装は白や木目をベースとした清潔感と落ち着きのあるデザインで、収納スペースも豊富なキャンピングカーです。
東和モータース「ヴォーン ズィーベン」
東和モータースが手掛けている「ヴォーン ズィーベン」は、眠ることに特化したキャブコンです。乗車定員は7名、就寝定員は6名となっています。
後部に常設されている2段ベッドは広々としており、ベッドマットを取り外すことでカスタマイズが可能。キャブコンの中でも特に大きなバンクベッドも特徴で、走行時はスライド機構で収納しておけます。
木目調をベースにした内装は落ち着きがあり、LED照明により明るく快適に過ごせるキャンピングカーです。
使い勝手の良いフリールームや標準の大型冷蔵庫が使用できる他、コンロはカセットコンロを採用しているため使わない場合は取り外すことが可能です。
カムロードベースのキャンピングカーを検討してみよう
特別仕様車であるカムロードはキャンピングカーの機能のためのカスタムが施されており、国産の多くのキャブコンはそんなカムロードをベースに作られています。
キャブコンに興味がある方は、ぜひ以下のページから気になるモデルを探してみてください。
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