キャンピングカーのベース車をタイプ別にご紹介
公開日:2022年4月15日 2023年11月22日 更新- カテゴリー:
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キャンピングカーの人気は年々高まっており、アウトドアに利用するだけでなくオフィスカーとして導入する企業も出てきています。そんなキャンピングカーは、元となるベース車があり、キャンピング仕様に架装して作られるのが特徴です。
今回はキャンピングカーの豆知識として、ベース車にはどのような車が使われているのかについてご紹介します。
キャンピングカーのベース車を知ってみよう
キャンピングカーは最初からキャンピングカーとして作られるのではなく、自動車メーカーが製造した車をさらに架装することで作られます。そのため、キャンピングカーの性能や機能性はある程度ベース車に依存しています。
ベース車にどのような車が使われているのかを知ることで、キャンピングカーがどう作られているのかを理解する一助になるでしょう。
キャンピングカー選びの際にも役立つ知識となるので、ぜひ以下よりタイプごとのベース車をチェックしてみてください。
軽キャンパーのベースとなる軽自動車
軽キャンパーは、キャンピングカーの中でも特に小型のタイプです。
軽自動車は規格の制限があるため車体を一定以上大きく作ることができませんが、その分キャンピングカーではできるだけ広いスペースを確保できるバンタイプがベース車としてよく選ばれます。
また、軽トラをベース車に専用のシェルを架装することで車内スペースを広くした軽キャンパーもあります。
中には、軽自動車をベースとしつつ、軽自動車の規格を超えるために普通車として登録されるキャンピングカーもあります。
スズキ・エブリィ
軽キャンパーの多くでベース車に選ばれているのが、スズキ・エブリィです。バンタイプのエブリィは軽自動車の中でも特に車内スペースが広く、軽自動車の規格の中で装備や家具を充実させやすいという特徴があります。
エブリィはOEM供給もされており、日産・NV100クリッパー、マツダ・スクラムなどがあり、これらをベースにしたキャンピングカーもあります。
ダイハツ・ハイゼット
軽キャンパーのベース車として圧倒的なシェアを誇るのはエブリィですが、ダイハツ・ハイゼットもベース車としてよく選ばれています。
ハイゼットにはカーゴタイプとトラックタイプがあり、どちらもキャンピングカーのベース車として使われます。カーゴタイプは内装のみの架装となりますが、トラックタイプの場合は専用のシェルを荷台に載せ、立って中を歩けるような広々とした空間を作ることも可能です。
軽キャンピングカーの魅力やおすすめモデルは「軽キャブコンの特徴とおすすめモデル6選!」でご紹介しています。
バンコンのベースとなるバン
バンコンは、主に商用として使われるバンをキャンピングカーに転換(コンバージョン)したものを指します。
バンは一般的な乗用車よりは大型の物もありますが、5ナンバー・3ナンバーのミニバンと同サイズの車両もあります。日本の道路を運転するのに不自由を感じるほどではなく、「ちょうど良い」キャンピングカーだと言えるでしょう。
バンコンのほとんどは外装を変えずに中身だけ架装するため、キャンピングカーとして目立ちにくいという特徴もあります。また、商用バンは走行性能が高く作られており、キャンピングカーとして架装されても乗り心地の良さを実感できます。
トヨタ・ハイエース
バンコンのベース車として圧倒的な人気を誇っているのが、トヨタ・ハイエースです。
走行性能の高さはもちろん、キャンピング仕様に架装しやすい1ボックスタイプであること、豊富なサイズ展開があることなどが選ばれている理由になります。
サイズ展開としては、標準ボディ、標準ボディハイルーフ、ワイドボディミドルルーフ、スーパーロングの4種類があります。
キャンピングカーのベース車としてよく選ばれるのはワイドやスーパーロングですが、スーパーロングになると全長が5メートルを超えるため、駐車場に入れないケースも出てくるようです。
近年はコンパクトなバンコンの人気が増してきており、標準ボディを採用したバンコンや、ハイエースよりさらに小さいタウンエースをベースにしたバンコンも登場しています。
ハイエースがキャンピングカーとして人気な理由については「キャンピングカーに最適!ハイエースの特徴や人気の秘密」でご紹介しています。
日産・NV200バネット
トヨタ・ハイエースに次いでバンコンのベース車として人気なのが、日産・NV200バネットです。
ハイエースのほとんどのバリエーションは運転席がエンジンの上に位置するキャブオーバー車であり、運転の感覚が乗用車と少し違うのと、見た目が企業の営業車っぽく見えるという側面があります。
一方、NV200バネットであれば一般的なミニバンのため運転の感覚がつかみやすく、バンコンとしての十分な広さも持ち合わせています。
NV200バネットの詳しい魅力については「NV200バネットの燃費は?キャンピングカーのベース車をご紹介」でご紹介しています。
キャブコンのベースとなるキャブオーバー車
運転席部分以外をキャンピング仕様に架装し、広々とした居住スペースを実現しているのがキャブコンです。
言葉の定義としてはキャブオーバー車を転換したものを指しますが、イメージとしては運転席の後ろが専用のシェルになっている大型のキャンピングカーを指します。
トラックの荷台にシェルを架装するパターンの他に、ハイエースの後ろ部分をカットしてシェルを架装するパターンもあります。
トヨタ・カムロード
キャブコンのベース車として多く選ばれているのは、トヨタ・カムロードです。
カムロードはキャンピングカーのために作られた専用ベース車であり、単体で販売されているわけではありません。運転席のあるキャブ部分以外はシャシーがむき出しになっており、キャンピングカービルダーは自由にシェルを架装できます。
トヨタ・カムロードがキャンピングカーとして人気な理由については「トヨタ・カムロードがキャブコンのベースとして唯一無二な理由を解説」でご紹介しています。
トヨタ・ハイエース
ハイエースはバンコンだけでなく、キャブコンのベース車としても使われています。
ハイエースは一部モデルを除いてバンでありキャブオーバー車でもあるため、少しややこしいですが、外装をそのままに中身を架装したものがバンコン、外装もカットして大きなキャンピングカーに仕立てたものがキャブコンという分け方ができます。
ハイエースの特徴については「なぜ車中泊にぴったり?ハイエースの特徴やカスタムパーツをご紹介」で解説しています。
フィアット・デュカト
ヨーロッパ製のキャンピングカーの多くでベース車として採用されているのがフィアット・デュカトです。
車体が大きいため大型のキャンピングカーを作るのにぴったりで、内装を豪華に仕上げることができます。約6メートルから7メートル50センチまでさまざまあります。
デュカトは走行性能の高さも特徴の1つであり、大きな車体を持ちながらパワフルな走行が楽しめるようになっています。
フィアット・デュカトについては「乗り心地が魅力?フィアット・デュカトベースのキャンピングカーについて」でご紹介しています。
バスコン・セミフルコンのベースとなるマイクロバス
マイクロバスをベースに作られたキャンピングカーとして挙げられるのが、バスコンやセミフルコンと呼ばれるタイプです。大人数を運ぶ目的で作られたマイクロバスをベースにしているため車体が大きく、内装を豪華に作ることができます。
また、高出力のエンジンや走行性能の高いダブルタイヤを採用していることも多く、安定した快適な走行が楽しめるという特徴もあります。トラックやバンと違い基本設計が人を運ぶ車輌なので乗り心地が良いのも特徴です。
トヨタ・コースター
バスコンやセミフルコンベース車としてよく使われているのは、トヨタ・コースターです。
パワフルな走行性能を備えていることも魅力ですが、現行のマイクロバスではフルモデルチェンジを行ったのが最も新しく、キャンピングカーとしての採用が多くなっています。
バスコンとセミフルコンの違い
同じマイクロバスをベースに作られるバスコンとセミフルコンですが、大きな違いがあります。
バスコンは、外装はそのままに中身だけを架装したタイプを指します。
一方のセミフルコンは、内装のみを架装するのではなく、キャブ部分以外はカットし新たにシェルを架装して作ります。大きなマイクロバスをベースにしているだけでなく、専用のシェルを架装するので、セミフルコンは特に大きく豪華な内装に仕上がっています。
セミフルコンよりさらに上のグレードとして、フルコンと呼ばれるタイプもあります。フルコンはエンジン・タイヤ・フレームのみ(シャシー)を残し、目に見える部分をすべてキャンピング仕様に架装したキャンピングカーです。
日本ではシャシーのみを販売しているメーカーはないため、国産のフルコンはなく、フルコンを購入するなら輸入車から選ぶことになります。
ベース車を知りキャンピングカーを理解しよう
キャンピングカーにはいろいろなタイプやモデルがあり、選ぶとなるとどれが自分にぴったりかなかなか判断が難しいものです。どのようなベース車が使われているかを知ることで、キャンピングカーについての理解が深まり、自身にぴったりのモデルを探しやすくなるでしょう。
キャンピングカーについて気になったことがあれば、販売店のスタッフへ遠慮なく質問してみるのがおすすめです。
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