キャンピングカー初心者におすすめ!バンコンのメリット・デメリット
公開日:2019年4月5日 2023年1月10日 更新- カテゴリー:
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キャンピングカーと一言でいってもその種類はさまざまです。例えば、乗用車のような見た目が特徴的な「バンコン」は、運転しやすく、安全性と走行性、機動力に優れています。さまざまな装備を取りつけることができるので、自分仕様のキャンピングカーに仕上げることが可能です。今回はそんなバンコンに焦点を当て、概要やメリット・デメリット、キャブコンとの違いについてご紹介します。
キャンピングカー初心者にぴったり!バンコンとは
バンコンは「バンコンバージョン」の略称で、バンタイプの自動車を改造・改装したキャンピングカーのことを指します。ベース車両の種類は複数あり、日本で主流となっているのは1t積み、または750kg積みの商用バンです。中には乗用ワゴンをベースにしたバンコンもあり、好みに合わせて選ぶことができます。内装はそれぞれのバンコンで異なり、カップルでゆったりくつろげるタイプからファミリーでにぎやかに楽しめるタイプまでさまざまです。バンコンは走行性と安全性、過ごしやすさの全てを兼ね備えているので、特にキャンピングカー初心者の方におすすめです。
乗り心地・安全性ともにばっちり!バンコンの5つのメリット
バンコンのメリットには、例えば以下の5つがあります。
1.運転がしやすい
バンコンの魅力は、何といってもボディに大幅な装飾を施していないことです。大きすぎないスクエア型のボディなので狭い道もスムーズに走行でき、数あるキャンピングカーの中でも運転のしやすさに長けています。この他、乗り心地と機動力が優れている点もバンコンならではの特徴です。長距離の運転でも快適なので、キャンプやピクニックなどのアウトドアシーンでも大活躍します。
大型のキャンピングカーになると、重心が高くなることで横風に弱くなるといった弱点が発生しますが、バンコンではそのような心配はほとんどありません。
2.普段使いできる
バンコンは見た目が乗用車と変わらないので、街中でも気軽に運転を楽しめます。例えば、スーパーマーケットに買い物へ行ったり子どもたちを送迎する際など、日常生活において乗用車同様に役立ちます。アウトドアシーンで利用することを目的として、乗用車とは別にキャンピングカーを購入する必要がないので、車の購入費や駐車場代、維持費を低く抑えることが可能です。
大型のキャンピングカーでは出先で駐車場を探すのが大変なケースもありますが、大きすぎないバンコンではその心配もほとんどありません。
3.安全性に優れている
バンコンのボディに装飾が施されていないのは、メーカーの安全基準に適合している証です。そのため、公道を安心して走行できます。また、ボディの上部や側部に荷物を載せることができないので、過積載になる可能性もほとんどなく、タイヤが破裂する「バースト」が起こる心配は少ないと言えます。さらにバンコンは、トラックの荷台を住居スペースにした「キャブコン」よりも車高が低いため、横風への耐性も抜群です。
4.ベース車両の種類が豊富にそろっている
バンコンのベース車両にはさまざまな種類があり、上記でもご紹介したように日本では1t積み、または750kg積みの商用バンが人気です。この他にも国産ワゴン車や欧米車など、さまざまな車両がベースになっているので、キャンピングカーの用途や自分の好みに合わせて選ぶことができます。なお、ベース車両によって内装は異なり、例えばベッドのみのシンプルなタイプやエアコン・テレビを備えた充実タイプがあります。
近年はよりコンパクトなライトバンをベースにしたバンコンも増え、より選択肢が増えています。
5.さまざまな装備を追加できる
バンコンと一言でいっても、車両によって標準装備は異なります。用途や好みに合わせて装備を追加でき、例えば内装や外観を彩るエアロパーツやアルミホイール、アウトドアシーンで役立つサイドオーニング、車内での快適性アップにつながるサブバッテリーやFFヒーター、エアコン、ベンチレーター、ソーラーパネルなどがあります。事前に必要な装備を明確にすることで、使い勝手に優れたキャンピングカーに仕上げることが可能です。
購入前に確認しておこう!バンコンの3つのデメリット
バンコンのデメリットとしては、以下の3つが挙げられるでしょう。
1.車内空間が狭い
バンコンは、キャブコンに比べて車内空間が狭く、ベース車両によっては居住スペースを十分に確保できないため、長期間の宿泊を前提としたアウトドアには適さない場合があります。また収納スペースが少ないので、荷物の量によっては居住スペースに積む必要があり、この場合は食事を取ったり就寝したりする空間がより窮屈になる可能性も考えられます。さらにバンコンはキャブコンよりも車高が低いため、背を屈めて過ごさなければなりません。一方で、軽自動車をベースにした軽キャンパーに比べると十分に広いスペースがあるため、自身の使い方にぴったりのサイズ感を選ぶことが大切です。
2.外の気温の影響を受けやすい
バンコンのボディには、熱伝導率が高い鋼材や鉄材が使われています。そのため外の気温の影響を受けやすく、夏は暑さを、そして冬は寒さを感じやすくなっています。特に夏は注意が必要で、スライドドアを開けたときの面積が大きいため、乗降車する際にエアコンで冷やした車内の空気が一気に逃げてしまいます。これにより車内の温度がグンと上昇し、より暑さを感じやすくなるのです。一方で、架装する際に断熱構造を新たに付加し、外気の影響を受けにくくしたモデルもあります。寒暖差が気になる場合は、そういったモデルを選びましょう。
3.自由に車内をレイアウトできない
バンコンのナンバーによっては、車内のレイアウトに制限が設けられていることがあります。
キャンピングカーには「8ナンバー」と「3ナンバー」があり、8ナンバーは構造条件をクリアすれば自由にレイアウトすることが可能です。構造条件は、「天井高1.6m以上のキッチンの装備」と「乗車定員の3分の1以上の就寝スペースの確保」です。
3ナンバーには構造条件はありませんが、法改正があり、シートを横向きにすると座席として認められなくなったため、注意が必要です。
レイアウト変更に制限が設けられている場合がある
バンコンとキャブコンの大きな相違点として、「使い勝手」が挙げられます。上記でご紹介したように、バンコンは国内の道路事情に沿って設計されているため、気軽に普段使いができます。これに対しキャブコンはベース車両がトラックなので、安全に運転するには速度を抑えて走行する必要があり、例えば高速道路を100km/hで走行するのは困難です。そのため、乗用車としての使用を前提としてキャンピングカーを購入するのであれば、バンコンのほうが適しているといえます。
ただし、長期間の宿泊を前提としてキャンピングカーを購入するなら、キャブコンを選ぶのが賢明です。なぜなら、キャブコンはバンコンに比べて車内空間が広く、荷物の収納スペースも十分に確保できるためです。背を屈めることなく車内を移動できるのはもちろん、キッチンやバスルーム、トイレなどの設備も充実しているため、快適なキャンピングカー生活を楽しめます。
このように、バンコンとキャブコンで特徴や魅力は異なります。そのため、キャンピングカーを購入する際は用途を明確にした上で、どの種類にするかを決めることが大切です。
比べてみよう!キャブコンのメリット・デメリット
バンコンのメリット・デメリットをご紹介してきましたが、その他の種類のキャンピングカーと比較することで、より自分にぴったりの1台を探しやすくなります。ここでは、キャブコンのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット1:居住環境が充実している
キャブコンは上記でもご紹介したように、大きなベッドや使い勝手の良いダイネット(リビングスペース)、人が立って通れる通路など、小さな家とも表現できるほどに居住環境が充実しています。
家で過ごすのと近い感覚で車中泊旅ができるため、家族みんなでアウトドアに繰り出したり、長期旅行へ出かけたりするのに適しています。
メリット2:大人数で広々使えて収納も豊富
就寝人数目安はモデルによってまちまちですが、乗車して移動する分には6名以上が乗れるキャブコンがほとんどです。
また、バンコンや軽キャンパーに比べ、収納が充実している点が挙げられます。単に収納スペースが多いだけではなく、座席下やベッド下などに大きな荷物を収納できるようになっているなどさまざまな工夫があり、キャンプやスキーなど大荷物のアウトドアでも活躍します。
デメリット1:大きいがゆえの不便さがある
キャブコンは車体が大きくキャンピングカーとしての機能性に優れる一方で、大きいがゆえの不便さがいくつかあります。
例えば、駐車場については購入前に十分確認しておく必要があります。使わない間に置いておく駐車場はもちろん、出先の駐車場でも大きい車は停められないことがあります。
また、キャブコンはただ大きいだけでなく重心が高くなっているため、道路や風の状況によっては揺れやすいという特徴があります。ブレーキの制動距離もバンコンなどに比べて長いため、余裕をもった、ゆったりとした運転を心がけなければいけません。
デメリット2:維持費が高く、また持て余すことがある
キャブコンは購入費用が高めなだけではなく、維持費もそれなりにかかります。車検や税金はもちろん、出かける際の燃費も決して良いとは言えないため、購入前に十分シミュレーションする必要があります。
一方で、キャブコンは日常使いには向かないため、購入したは良いもののなかなか旅行へ行かずに持て余してしまうということもありえます。その場合は、居住スペースなどは狭くなるかもしれませんが、バンコンのほうが適していることもあります。
比べてみよう!軽キャンパーのメリット・デメリット
キャブコンの次は、軽キャンパーのメリット・デメリットを確認してみましょう。
メリット1:リーズナブル・コンパクトで所有しやすい
軽キャンパーはキャンピングカーの中では最も小型のタイプで、リーズナブルに購入できるという特徴があります。キャンピングカーは一般的な車に比べて高価になることが多いため、まずはデビューしたいという方には軽キャンパーが最適です。
また、コンパクトなことから駐車場を選ばず、軽自動車の規格に収まっているモデルであれば維持費も抑えられます。
メリット2:少人数の利用に適している
軽キャンパーは元が軽自動車のため、乗車人数が4名を超えることはなく、就寝定員も少なめです。そのため、主に1人~2人で使いたいという場合には使い勝手の良さを感じられるでしょう。
1人趣味に特化して作られたモデルもあるため、自分だけの秘密基地のような使い方もできます。
デメリット1:キャンピングカーとしては最も狭い
コンパクトな魅力の一方で、軽キャンパーはキャンピングカーとしては最も狭く、ゆったりと使えるわけではありません。
2人まで眠れるとしているモデルでも、実際に使ってみると手狭に感じることがあるため、自分にとって許容範囲内か、販売店などで確かめるのがおすすめです。
デメリット2:長距離移動に適していない
軽キャンパーは軽自動車をベースにしているため、バンコンに比べて走行性能は高くなく、長距離移動には適していません。一方で小回りが利くため、比較的近い地域を巡るような旅行に向いています。
バンコンのベース車はハイエースが多い!ハイエースのキャンピングカーの特徴とは
キャンピングカーは、すで作られている車にキャンピングカーとしての設備を架装して作ります。中でもバンコンは、多くのモデルがベース車にトヨタ・ハイエースを採用している点が特徴です。
ハイエースは商用バンであり、自家用車として使われることはほとんどありません。しかし丈夫に作られているため、キャンピングカーとしての設備を詰め込みやすいという特徴があります。丁寧に乗り続ければ、ハイエースベースのキャンピングカーは10~15年などの長期間でもしっかりと活躍してくれます。
ハイエースは同じバンの中でも特にシンプルなデザインとなっており、ボディーサイズも豊富にあることから、キャンピングカービルダーがデザインしやすいという特徴もあります。市場には出回らない、キャンピングカーを作るためだけに製造される「キャンパー特装車」も存在します。
ハイエースのキャンピングカーおすすめ8選
ハイエースをベース車としたキャンピングカーには多くのタイプがあります。ここでは、8つのおすすめモデルをご紹介します。
FOCS Ds F-Style
フジカーズジャパンが製作しているキャンピングカーシリーズ「FOCS」から、ちょうど良いスタイルを目指した「Ds F-Style」です。前後対面式のリビングスペースを有しており、ベッドを展開すると3名まで就寝できます。OPマットを使用すればさらに子ども2名まで就寝できるので、家族連れにおすすめです。
また、すべてのFOCSモデルに共通する仕様として、寒暖差の大きい北海道でも快適に過ごせるように高い断熱仕様を実現しています。これにより冷暖房を最低限に抑えることができ、夏冬問わず快適に過ごせるだけでなく省エネにもつながります。
FOCS ESPACIO+UP
「ESPACIO+UP」は、軽キャンパーで多く採用されているポップアップルーフを備えたキャンピングカーです。ハイエースの中では小型のタイプをボディに採用していますが、ポップアップルーフがあるおかげでベッドが増え、大人4名まで就寝できます。走行時にも5名まで乗れるので、十分な広さのバンコンだと言えます。
FOCS Ds COMPACT
FOCSシリーズの中でも人気のDsのスタイルを改良し、コンパクトなモデルに仕上げたのが「Ds COMPACT」です。小型のタイプのハイエースを採用することで、市内での取り回しが良くなっています。横向き対面式のリビングスペースが特徴で、内装のベースカラーは白を始め4色から選択できます。
FOCS Ds L-Style Urban Blue
リビングスペースがL字に作られている「Ds L-Style」から、もうひとつの顔として登場したのが「Ds L-Style Urban Blue」です。デザインカラーにデニムブルーを大胆に取り入れ、爽やかな印象に仕上げています。
Ds L-Style Urban Blueについて詳しくはこちら
FOCS Departure
ハイエースの中でも大型のタイプを採用したのが、「FOCS Departure」です。広い居住スペースを有効活用するようにデザインされており、ベッド展開時には5名まで就寝できます。ハイエースベースのバンコンの中では珍しく、家庭用エアコンを搭載できるモデルとなっています。
トイファクトリー バーデン
「バーデン」は、トイファクトリーが手掛けているバンコンです。ハイエースのスーパーロングをベースにしており、乗車人数は7名、就寝人数は4名です。
バンコンでは珍しく、使用時に展開する必要のない常設リアベッドを備えています。スーパーロングの比較的大きな車体を活かし、豊富な収納スペースや大型の冷蔵庫、FFヒーターなど装備が充実しているところも特徴です。
アネックス ファミリーワゴン
「ファミリーワゴン」は、アネックスが手掛けているバンコンです。バンコンの中でもミドルサイズながら、家族で遊べて寝れることをコンセプトにしており、乗車人数8名、就寝人数3名(2段ベッド使用で子どもがさらに3名)を実現しています。
フロットモビール シュピーレン
「シュピーレン」は、フロットモビールが手掛けているバンコンです。バンコンの中でもコンパクトな部類に入り、高速道路などでの走りやすさに優れています。
また、大きい車の運転に自信がないという方でも比較的扱いやすくなっています。使用状況に合わせたシートアレンジの豊富さが特徴で、ベッドや座席を収納して荷室を最大限に活用したり、フルベッド仕様にしたりできます。
バンコン・ハイエースのキャンピングカーでキャンピングカーデビューしよう!
バンコンは運転がしやすいだけでなく、走行性と安全性にも優れていることから、キャンピングカー初心者にはおすすめの種類です。車内空間が比較的狭いというデメリットもありますが、キャンプやピクニックなど、日帰りまたは短期間の宿泊を前提としたアウトドアシーンでは大いに役立ちます。「アウトドアシーンで使う車が欲しい」「キャンピングカーに興味がある」という方は、ぜひこの機会にバンコンに目を向けてみてはいかがでしょうか。
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