キャンピングカーの種類別に内装のポイントをご紹介!
公開日:2019年7月19日 2024年9月19日 更新- カテゴリー:
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自動車にキャンピング機能を架装したキャンピングカーには、選ぶポイントが多くあります。その中でも、内装の充実度は特に重要なポイントです。今回はキャンピングカーの種類別に内装についてご紹介していきます。内装の基本装備となるベッドやキッチン、ダイネットについても解説しておりますので、ぜひ最後までお読みください。
内装で選ぶキャンピングカー
キャンピングカーは、車内にベッドやキッチン、テーブルなどの家具を設置して自動車に居住性をプラスしています。大人数でのキャンプや家族旅行、1人で楽しむ車中泊などキャンピングカーの使用用途は千差万別ですが、「車内で過ごす」点は大きな共通点です。そのため、キャンピングカーを選ぶ際は、どのような内装を備えているのか、その設備や装備は自分の目的に合っているものか、十分快適に過ごせるかなど、内装に注目して選ぶのがおすすめです。内装をあまり吟味せずに選ぶと不便さを感じてしまう可能性がありますが、よく吟味してぴったりのキャンピングカーを選べばアウトドアを長く楽しめます。
なお、キャンピングカーの種類によっては内装の充実度よりもコンパクト性を重視していたり、走行性能が二の次だったりするため、総合的に見て判断することが大切です。その上で、以下では内装を見るポイントについて見ていきましょう。
キャンピングカー種類別の内装の特徴
キャンピングカーは、ベースとなる車両や架装の方法によっていくつかの種類に分かれています。ここでは、種類ごとに内装の特徴をご紹介します。
キャブコンの内装の特徴
キャブコンは、キャブ(運転席部分)を残して車体の後部を架装して作ったキャンピングカーです。キャンピングカー仕様のボディを取りつけているので、車体が大きく、キャンピングカーらしい見た目をしています。
そんなキャブコンの内装を見てみると、まずは広々としたスペースが目に留まります。多くのモデルは成人男性が立っても天井に頭を打つことなく、縦横にも十分なスペースが確保されています。まるで住宅の一室を訪れたかのような広さが特徴です。
キャブコンの多くのモデルは、リビングスペースやキッチンスペース、就寝スペース、レストルームなどが設けられています。それぞれの家具は限られたスペースを有効活用するようにデザインされており、自由に使える収納スペースも多く確保されています。それでいてリビングスペースのソファは自宅のようにくつろげたり、シングルサイズ以上のベッドで眠れたりと、快適さが追求されているのも特徴です。
キャブコンでは内装がかなり充実しているため、どの設備や機能があれば快適に過ごせるか、あるいは自分にとってどの設備や機能が不要かを選択できます。キャンピングカーは長く使うことになるため、納得のいく内装を選択しましょう。
キャブコンの内装3タイプ
キャブコンの中でもモデルによって内装のコンセプトは変わり、どのような設備を取り入れるか、ベッドのサイズはどうするのかなど個性があります。
例えば、イタリアのキャンピングカービルダー「ローラーチーム」の「ZEFIRO 285TL」は洗練された空間デザインで非日常的な旅行を楽しむことを目指したキャンピングカーです。白を基調に黒や木目を合わせた内装は優雅な雰囲気で、リビングエリアは運転席と助手席を反転させることで広々とくつろげるスペースとなります。リビングエリアに太陽光を取り込むオープンスカイルーフの他、多彩な収納スペースも魅力です。
ラグジュアリーな内装が特徴の「ZEFIRO 285TL」の詳しい車両情報は下記のボタンよりご覧いただけます。
同じく「ローラーチーム」の「LIVINGSTONE 5」は、高い断熱性と防音性を実現したキャンピングカーです。これにより就寝中に暑さや寒さ、外の騒音に邪魔さとれにくい仕様になっています。また、空間を柔らかに彩る間接照明やシックなデザインの家具を採用し、居心地の良いリビングエリアを演出しています。
イタリア製ならではのシックでオシャレな内装が特徴の「LIVINGSTONE 5」の詳しい車両情報は下記のボタンよりご覧いただけます。
スペインのキャンピングカービルダー「エースキャラバンズ」の「ACE 565」シリーズは、居住スペースの空間を広々と確保しているキャンピングカーです。ベッドは電動プルダウンベッドを採用し、収納時には広々と歩きやすい空間になります。海外ビルダーのキャンピングカーですが、フジカーズジャパンが共同開発し、出入り口が左側にあるなど日本人に使いやすい仕様になっています。
広々とした内装が特徴の「ACE 565」の詳しい車両情報は下記のボタンよりご覧いただけます。
バスコン
バスコンは、マイクロバスなどの内部を架装して作ったキャンピングカーです。マイクロバスをベースとしているためキャブコンよりもスペースが広く、広い車内を贅沢に使った高級キャンピングカーが多く販売されています。
バスコンはもともと10人以上や20人以上を運搬できるスペースを居住スペースとして架装しているため、ベッドやキッチン、リビングスペースなどが広々と贅沢に作られています。例えばベッドでは、クイーンサイズやキングサイズのベッドを備えているモデルもあります。家具の素材も上質なものを使用しており、質感やデザインの良さを追求している点も大きな特徴です。シャワーやトイレを備えたレストスペースのあるモデルを選べば、長期の旅行でも快適に過ごせます。
このような特徴から、バスコンは「車にキャンピング機能が搭載されている」というよりは「家が動いている」という印象を与えます。家を持たず、バスコンに住んで生活することも十分に可能です。
バスコンの内装はこのように充実しているため、キャブコン同様、快適性を重視して設備や機能を取捨選択できます。バスコンを選ぶなら、楽しいキャンピングカーライフになるよう、快適な使い勝手にとことんこだわることがおすすめです。
バンコンの内装の特徴
バンコンは、主に商用に使われるバンをベースにしたキャンピングカーです。バンは乗用車と比べると大きいですが、バスコンやキャブコンに比べると車内スペースは狭くなります。一方で、バンコンは外装に手を加えずに内装のみキャンピングカー仕様に架装する特徴から、比較的安価にキャンピングカーライフをスタートできるメリットがあります。
そんなバンコンの内装は、限られたスペースで使用用途を果たせるよう、設備や家具が厳選されて設置されています。例えば、ベッドは大きいサイズを置くことはできず、普段は壁際に収納して使うときに展開する形を取っているモデルも多くあります。
設備や家具、機能が制限されていることから、バンコンの内装にはそれぞれテーマがあると言えます。例えば、快適に調理ができるように使いやすいキッチンや十分な容量のある冷蔵庫を設置しているモデルもあれば、運転席と助手席を回転式にしてリビングスペースを広く使えるようにしたモデルもあります。
バンコンを選ぶ際は、自身にとってどの設備や機能が必要で、どの設備や機能を省くことができるかをよく吟味することが大切です。そうすることで使い方にマッチしたモデルを選ぶことができるため、比較的小さいキャンピングカーでも存分にアウトドアを楽しめます。
バンコンの内装3タイプ
キャブコンほどは広くないバンコンでも、モデルによってさまざまな工夫が施されています。
例えば、フジカーズジャパンが提供しているキャンピングカーシリーズ「FOCS」では多くの種類のバンコンを取り扱っていますが、それぞれにコンセプトがあります。
「FOCS Siesta」は、国産バンコンのベース車では特に大きいスーパーロングボディを採用しており、車内でゆったりと過ごすことを想定したモデルです。リビングエリアは広々と余裕をもって作られており、センターテーブルを挟んで大人数が広々とくつろげます。
「FOCS Ds」は、ダイネットやキッチンスペースがちょうど良く作られているモデルです。キャンピングカーに欲しい設備がほど良く整っており、高級感のあるデザインは落ち着いた空間を演出しています。
「FOCS ESPACIO+UP」は、キャンピングカーをもっと楽しく使えるように工夫されたモデルです。ベース車はバンコンの中では標準サイズのボディを採用していますが、天井に大きなポップアップルーフを備え、就寝時には大人4人が広々と眠れます。
FOCSの詳しいことは、こちらのページをご覧ください。
トラキャンの内装の特長
トラキャンは、車両と居住スペースが分離しているタイプのキャンピングカーです。車両は荷台を持つトラックを使い、シェルと呼ばれる居住スペースを荷台に乗せて走ります。分離しているため、アウトドアに出かけないときはシェルを下ろしてトラックだけ使うことも可能です。
そんなトラキャンは輸入モデルが多く、大型のモデルが多く作られているため、内装もかなり充実しています。例えば、トラキャンのシェルの多くは荷台から運転席側に大きくはみ出す「バンク」を持ち、中は2~3人が余裕をもって寝られるバンクベッドになっています。
ただし、バンコンと同様に設備や機能が取捨選択されている部分もあります。日本ではあまり広まっていないトラキャンですが、選ぶ際は、バンコンと同じく自分にとっての要不要をよく吟味することが大切です。
軽キャンパーの内装の特長
軽キャンパーは、軽自動車をベースに架装したキャンピングカーです。軽自動車は車体が小さいため、上記にご紹介した他の種類と比べると設備を詰め込めませんが、その分安価に購入できるメリットがあります。
そんな軽キャンパーの内装は、スペースが限られているため、主にリビングスペースで構成されています。ベッドはソファの背もたれを倒すなどして展開し、多くのモデルは2人まで就寝できます。収納スペースはあまりなく、リビングスペースを上手に活用することになります。
ただし軽キャンパーでも快適さを諦める必要はなく、4人が就寝できるモデル、ポップアップルーフを架装することで天井のスペースでもベッドが使える、小型ながらキッチンを設置するなど、どのモデルでも工夫がなされています。
軽キャンパーは車内スペースが広くないため、選ぶなら少人数での利用を想定している場合がおすすめです。内装に強いこだわりはなく、小回りの利く車体でアウトドアを楽しみたいという場合は、軽キャンパーは大きな選択肢となります。設備や機能は他の種類と比べるとどうしても劣るため、自分に必要なオプションを追加するなどして不便なく過ごせるキャンピングカーに仕立て上げましょう。
キャンピングカーのベッド
ここでは、キャンピングカーの内装で特に重要な家具のひとつであるベッドを中心に、その種類をまとめています。
常設リア2段ベッド
キャブコンやバンコンに多く採用されている、居住スペース後部に設置された常設の2段ベッドです。
大型のキャンピングカーは立ったまま中を歩けるほど高さがあるので、2段ベッドを設置してスペースを節約することができます。2段ベッドにより就寝可能人数が増えるので、主に家族でキャンピングカーを使うという方におすすめです。
バンクベッド
キャブコンの多くで採用されているのが、運転席上部に突き出しているバンクベッドです。
バンクのあるキャブコンはほとんどがベッドとして使用することを想定しており、大人2人が広々と眠れるスペースがあります。キャブコンよりは小さくなりますが、軽キャンパーでバンクベッドを搭載しているモデルもあります。
ハイマウントベッド
ハイマウントベッドは高い位置に設置するベッドのことで、バンコンに採用されることがあります。
眠るときに天井が近くなりますが、その分ベッドの下を収納スペースとして使用できるのがメリットです。
フロアベッド
軽キャンパーやバンコンで広く採用されているのが、左右などに収納したマットを展開したり座席を倒したりして使用するフロアベッドです。
車内スペースが限られていても、フロアベッド構造にすることで広い就寝スペースを確保することができます。
ルーフベッド
ルーフベッドは、ポップアップルーフを展開することで使用できるベッドです。
軽キャンパーやバンコンに多く、1~2人が就寝できます。フロアベッドは展開時にダイネットを片付ける必要がありますが、ルーフベッドは利用用途を完全に分けることができます。
プルダウンベッド
海外製の大きなキャンピングカーに見られる、天井付近に収納しておいて眠るときには下ろして使うベッドです。
手動タイプと電動タイプがあり、電動タイプは力仕事をまったく必要としないので女性や年配の方にもおすすめです。
ダイネットスペース
座席やテーブルなどで構成されるダイネットのレイアウトも、キャンピングカー選びにおいて重要です。
座席が向かい合わせになっているタイプ、横向きのソファーベッドを2列並べているタイプ、コの字型になっているタイプなどダイネットにはさまざまなレイアウトがあります。また、走行時と停車時でレイアウトを変更できるタイプ、運転席と助手席を反転させて大きなダイネットを作れるタイプなど、機能性もさまざまです。
同じようなレイアウトでもモデルごとに細かい使い勝手が異なるので、いろいろなモデルをチェックしてみるのがおすすめです。
ローラーチームが手掛ける「ZEFIRO 285TL」は、余裕のあるダイネットレイアウトが特徴のキャンピングカーです。
ZEFIRO 285TLは優雅な休暇を過ごすためにデザインされており、ダイネットはL字とI字を組み合わせた独特のレイアウトをしています。このレイアウトにより、十分な座席スペースを確保しつつ居住スペース全体を広く使えるようになっています。
キャンピングカーのギャレー(キッチンスペース)
ベッドやダイネットの他に、キャンピングカーではギャレーも内装の重要なポイントです。キャンプへ出かけるときに料理もしたいという方は、ギャレーの仕様もよく確認しましょう。
シンク・コンロ
小型のキャンピングカーでは省かれていることも多いですが、キャンピングカーの多くではシンクやコンロを備えたギャレーが設置されています。
シンクやコンロはキャンピングカーごとにサイズが異なるため、要チェックポイントです。特にコンロは1口と2口で使い勝手に大きな違いがあるため、自身の使い方をよく想像して選びましょう。
冷蔵庫
キャンピングカーのギャレーには、冷蔵庫が備え付けられていることがあります。
冷蔵庫があれば、冷たい飲み物を保管しておいたり、道中で買った食材を保存したりできるので便利です。設置できる冷蔵庫のサイズはキャンピングカーによって異なるので、よく確認しましょう。
冷蔵庫がオプションになっている場合は、自身の使い方を想像し、必要なければ省くのも選択肢のひとつです。
タンク
ギャレーで重要なのが、次の「水回り」の項目にも関わってくるタンクです。
料理や手洗いなどに使用する水はタンクに入れて運びますが、水道管が引いてある自宅とは違い、キャンピングカーの場合はその容量に限界があります。小型のキャンピングカーであれば搭載できるタンクの容量も小さくなるため、道中こまめに給水する必要が出てくるかもしれません。
タンクはシンクとトイレ、シャワールームで共通となるため、容量およびどのように使うかをよく考えた上で検討しましょう。
水回り
キャンピングカーの内装では、水回りもチェックしておきましょう。
トイレ
キャンピングカーでは長距離の移動をすることも多いため、トイレが必要かどうかは大きな問題のひとつです。日本であれば道行きで利用できるトイレが多いですが、キャンピングカー内にあれば便利だと言えます。
キャブコン以上の大きなキャンピングカーの多くでは、専用のトイレルームがあり、カセット式トイレが利用できます。カセット式トイレは家のトイレと近い感覚で使えるもので、汚水の処理はキャンピングカーの外側から行います。
専用のトイレルームがない場合は、ポータブルトイレを設置することになります。ポータブルトイレでも汚水や臭いが処理されるように工夫されているため、清潔に使うことができます。
シャワールーム
キャブコン以上の大型のキャンピングカーになると、シャワールームが設置されていることがあります。中でも、トイレと一緒になっているパターンとシャワールームだけで独立しているパターンがあります。長期間の旅行や、アクティビティで汗をかくことが多い場合には車内にシャワールームがあると便利です。
バンコン以下のキャンピングカーでシャワールームが設置されていることはほとんどありませんが、外で使うためのシャワー機能だけをつけられるモデルはあります。
内装が“ぴったり”だと長く使える
キャンピングカーにはさまざまな種類やモデルがあり、それぞれで内装の広さや種類、快適さ、高級感などが異なります。車体の大きいキャンピングカーほど内装を充実させやすいですが、大きければ良いというものでもないため、自分のスタイルに“ぴったり”な内装を探すことが大切です。そうすることで愛着が湧き、キャンピングカーを使ったアウトドアを長く楽しめるようになります。
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