長期間のアウトドアに最適!キャブコンの概要とメリット・デメリット

キャンピングカーコラム

長期間のアウトドアに最適!キャブコンの概要とメリット・デメリット


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キャンピングカーを代表する種類である「キャブコン」は、広々とした居住スペースを確保できる他、断熱性や防音にも優れているため、快適なキャンピングカー生活を実現できます。そこで今回はキャブコンに焦点を当て、概要とメリット・デメリット、バンコンとの違いについてご紹介します。


キャンピングカーの代表格!キャブコンの概要と5つのメリット

キャブコンは「キャブコンバージョン」の略称で、トラックの荷台を改造・改装したキャンピングカーのことを指します。さまざまな種類があるキャンピングカーの中で最も代表的なタイプであり、中にはトラックではなくハイエースをベース車両にしたキャブコンもあります。広々とした居住スペースを確保できる他、車内を自由にレイアウトして自分に合った空間に仕上げられるのも、キャブコンの魅力のひとつです。

そんなキャブコンのメリットには、例えば以下の5つがあります。

1.居住スペースが広い

キャブコンは、運転席部分を除く全ての範囲が居住スペースになるので、広々とした空間でキャンピングカー生活を送ることができます。また、トラックやハイエースをベース車両にしているため天井が高く、圧迫感を受けにくくなっています。そのため中腰になる必要がなく、まるで自宅にいるような感覚で過ごせます。キッチンやバスルーム、トイレなどの設備をオプションとして追加できるタイプもあるので、長期間の宿泊を前提としたアウトドアに最適です。

2.宿泊しやすい

就寝スペースが確保されているのも、キャブコンのメリットのひとつです。例えば、運転席の上部にスペースを設けて、可動式のベッド「バンクベッド」を設置しているキャブコンがあります。引き出しのような仕様になっているので、使用時に引き出すだけでセッティングが完了します。運転席の上というデットスペースを活用することで、広々とした居住スペースを常にキープできます。また大人数での宿泊にも対応できるため、キャンピングカーをファミリーで利用したい方に特におすすめです。

3.多くの荷物を収納できる

キャンピングカーを利用するシーンといえば、やはりアウトドアです。キャンプやピクニック、釣り、スキーなど、アウトドアにはさまざまな種類がありますが、その全てに共通しているのは「荷物が多い」という点です。例えばキャンプなら、テントやタープ、寝袋、テーブル、チェア、ランタン、バーベキューセットなどが必要になります。そのため、アウトドアシーンには多くの荷物を運べる車が必要不可欠といえます。そこで役立つのがキャブコンであり、居住スペースと収納スペースが別で設けられているので、たくさんの荷物を運ぶことができます。

4.居住スペースの断熱性が高い

キャブコンのボディには、主に「ガラス繊維強化プラスチック(FRP)」が使われています。ステンレス鋼の約200分の1の熱伝導率なので、保温・保冷効果に長けています。そのため、春夏秋冬どの季節も快適なキャンピングカー生活を送れる他、小さな子どもやペットと一緒に過ごすことも可能です。

5.防音性が高く周囲の音が気にならない

キャンプ場では、キャンパーによる迷惑行為が問題になっています。例えば、周りを気にせず夜遅くまで騒ぐグループがいた場合、話し声や笑い声が気になってなかなか就寝できない可能性があります。このときキャブコンを利用していれば、周囲の音に煩わしさを感じることなく快適に睡眠を取れます。なぜなら、キャブコンのボディに使われているガラス繊維強化プラスチックは、耐熱性だけでなく防音性にも優れているためです。このように静かな環境下でアウトドアを楽しめるのも、キャブコンならではのメリットです。

大きいからこその弱点も!キャブコンの4つのデメリット

キャブコンのデメリットには、以下の4つがあります。

1.スムーズに走行できない

キャブコンのベース車両は基本的にトラックです。安全に運転するには、いつも以上に速度を抑えて走行する必要があるため、目的地までの所要時間が乗用車の1.3倍~1.5倍ほどになります。またキャブコンは車高が高いため、横風の影響を受けやすいというデメリットも持っています。加えて、高さ制限のある場所は走行できない可能性もあるので、トンネルを通る際や立体駐車場を利用する際は注意が必要です。

2.駐車できる場所が限られる

キャブコンは車高と車幅が大きいので、駐車する際は大型車に対応した駐車場を探す必要があります。狭い駐車場だと、駐車・発進する際に何度も切り返さなければならない場合もあるので、なるべく広々とした駐車場を選ぶことが大切です。ただし、駐車場によってはキャンピングカーというだけで利用を断られたり、マイクロバスと同じ料金を請求されたりすることもあります。こういったトラブルを防ぐために、あらかじめ管理人に説明をしておくことが大切です。

3.騒音

上記でもご紹介したように、キャブコンには発電機を備えておくのがおすすめです。しかし、発電機は起動する際に大きな音を発するアイテムでもあります。つまり、発電機を使用することで騒音に悩まされる可能性があるのです。また、キャブコンはエンジンが運転席と助手席の真下にあるため、運転中に騒音と振動が響くことも考えられます。

4.バーストを起こす可能性がある

キャブコンは居住スペースが広い分、さまざまなオプションを追加できる他、荷物もたくさん積めます。そのため必然的に積載量が多くなり、タイヤが破裂する「バースト」を起こしやすくなります。特にシングルタイヤはバーストしやすいため、キャブコンを利用する際はなるべく頑丈なタイヤに交換することが大切です。併せて、定期的に専門家による点検を受けるのも有効です。


どっちを購入すべき?キャブコンとバンコンの違い

キャンピングカーの代表格といえばキャブコンですが、それと並ぶほどの人気を高めているのが「バンコン」です。実際にキャンピングカーの購入を検討している方の中には、「どっちを買えば良いのだろう」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。以下でご紹介するポイントを参考に、キャンピングカーの用途や自分の好みに合わせて選んでみてください。

居住性を重視するならキャブコン

上記でもご紹介したように、キャブコンは車高が高いため、広々とした居住スペースを確保できます。また、キッチンやバスルーム、トイレなどの設備を追加することもできるので、まるで自宅にいるような感覚を楽しめます。
これに対しバンコンは、居住スペースがやや狭く、移動する際や着替えるときに背を屈める必要があります。また、設備がキャブコンほど充実していないことが多いので、長期間の宿泊を前提とした利用には適さない場合があります。
こうした点から、居住性を重視するならキャブコンを選ぶのが賢明といえます。

運転・駐車のしやすさを重視するならバンコン

バンコンは、バンタイプの自動車を改造・改装したキャンピングカーで、大きすぎず小さすぎないサイズ感です。そのため、走行中に騒音や振動に悩まされることも、ほとんどありません。
これに対しキャブコンは、ベース車両がトラックなので加速しづらい他、車高・車幅ともに大きく駐車しづらいため、いつも以上に慎重かつ丁寧に運転する必要があります。
こうした点から、運転・駐車のしやすさを重視するならバンコンを選ぶのが賢明といえます。

選ぶ基準は「キャンピングカーの用途」

キャブコンとバンコン、どちらを選ぶべきか迷ったときは「キャンピングカーの用途」を明確にしましょう。
例えば「快適なキャンピングカー生活を楽しみたい」「本格的なキャンピングカーを購入したい」という方には、キャブコンがおすすめです。設備が充実している他、オプションとしてさまざまなアイテムを追加することもできるので、快適な居住スペースを実現できます。
「キャンピングカーを普段の生活でも利用したい」「はじめてキャンピングカーを購入する」という方には、バンコンがおすすめです。ボディに大幅な装飾が施されていないので、街中でも気軽に運転できます。
キャンピングカーを選ぶ際は、このように用途を明確にして自分に合った一台を選ぶようにしましょう。


キャブコンの選び方

キャブコンを選ぶ際は、乗車定員や就寝定員、どのようなベッドが設置されているか、ダイネットの使い勝手はどうかなどのポイントもありますが、標準装備とオプションの内容に注目して比較してみましょう。
さまざまなメーカーからキャブコンが販売されているため、一見すると似たようなモデルも多くありますが、標準装備やオプションを見てみると意外に異なります

要チェック項目の1つは空調設備です。夏に多く乗るならエアコンが、通年で乗る場合はFFヒーターが、それぞれ標準装備になっているか、オプションの場合はいくらなのかを確認しましょう。

キッチンの使い勝手や冷蔵庫・テレビの有無、トイレスペースの有無なども、要チェック項目です。
走行面では、キャブコンはベース車の違いによって走行性能が大きく変わります。いざ乗ってみると思っていた以上に乗り心地が悪いということもあるため、試乗して確かめてみるのがおすすめです。


キャブコンに搭載しておくと便利な装備

ここでは、必要不可欠ではないものの、搭載しておくと便利な装備についてご紹介します。

家庭用エアコン

自動車には車載エアコンが搭載されていますが、居住スペースの広いキャブコン全体に冷房をかけるにはパワーが足りず、またエンジンの稼働中にしか使用できません。夏のアウトドアに利用することが多いのであれば、家庭用エアコンの設置がおすすめです。
家庭用エアコンは消費電力が大きく、容量の大きいサブバッテリーやインバーターが別途必要ですが、あれば夏の車内を快適に過ごすことができます。キャンプサイトに電源があれば、外部電源からエアコンに電気を供給することも可能です。

キャンピングカーのエアコンについては以下の記事にもまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。
バンコンでも可能?キャンピングカーに設置したいエアコンについて

カセット型トイレ

キャブコンはトイレスペースを作ることで、家のトイレと近い感覚で使用できるカセット型トイレを設置できます。カセット型トイレは見た目が家のトイレとほとんど同じで、排泄物はトイレスペースの下部分にあるタンクの薬剤でほぼ無臭に分解されるため、長期間の旅行に便利です。
なお、カセット型トイレではなくポータブルトイレをマルチスペースに設置することもできます。ポータブルトイレはタンクが一体になったタイプですが、薬剤で分解する点は一緒のため臭いはほとんど気になりません。

キャンピングカーのトイレについては以下の記事にもまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。
処理も楽々!キャンピングカーのトイレの種類と汚水の処理方法

ソーラーパネル

家庭用エアコンや冷蔵庫などの家電はサブバッテリーとインバーターを積んで使用することになりますが、ソーラーパネルを搭載しておけば太陽光のパワーを足しにすることができます。


おすすめのキャブコンとそのベース車

ここでは、キャブコン選びに参考にして欲しいおすすめモデルと、そのベースとなった車の特徴についてご紹介します。

ナッツRV ミラージュボーダーED

大きなバンクベッドを備え、7人が乗車でき、大人6人と子ども1人が就寝できるキャブコンです。広々と使いやすいことはもちろん、外からアクセスできる収納スペースや空気の入れ替えができるルーフベントなど、使い勝手の良い装備が整っています。
ベース車として使用されているトヨタ・カムロードは、キャンピングカーを作るために開発された専用モデルです。キャンピングカーとしての使用を想定し、走行の安定性を増すための足回りの強化、サブバッテリーを使いやすくするための発電量のアップなどが始めから施されています。

エースキャラバンズ エース565LD

キャンピングカーの本場スペインの代表的なビルダー、エースキャラバンズのキャブコンです。本場ならではの大型の車体には便利な機能が詰め込まれており、快適な居住性を実現しています。
ベース車のフィアット・デュカトは、ヨーロッパのキャンピングカービルダーで広く採用されているモデルで、大型のボディと燃費性能などが評価されています。日本車ベースのキャンピングカーでは実現しにくい広さを確保できる点が魅力です。
エースキャラバンズ エース565LDの詳細はこちらです。

AtoZ アミティ

キャブコンとしては比較的コンパクトに作られたモデルです。コンパクトながら6人が就寝できる居住スペースを実現しており、展開する手間のない常設ベッドなど使い勝手も優れています。ダイネットなど部分のベッドを展開してもテーブルを出して使える点も特徴です。
ベース車のマツダ・ボンゴはカムロードと同じく多くのキャブコンのベース車に使われているモデルで、比較的コンパクトなキャブコンを作れる他、値段を抑えられるという特徴もあります。

ハイエース アネックス リバティ 4WD

長い歴史を持つキャブコン「リバティ」の、ハイエースをベースにしたモデルです。居住スペースは広々としており、バンクベッドも備えているので、5人まで乗車・就寝ができます。
リバティはキャブコンですが、このモデルはハイエースをベースにしているため、重心が低め。居住スペースのフロア高も低く、走行性能が安定しており、乗り心地の良いモデルになっています。

ハイエース ファンルーチェ セレンゲティ

「セレンゲティ」は、ハイエースをベースに作られたキャブコンです。ハイエースの後方部分をカットして新しくシェルを架装し、キャブコンとしての機能性を搭載しています。ハイエースをベースにしているためキャブコンの中では比較的小さく、乗り回しがしやすいのが特徴。それでいて内装はレイアウトがしっかり工夫されており、乗車定員は7人、就寝定員は大人6人+子ども2人とたくさんの人数で利用できます。

カムロード ナッツRV クレア5.0X

ナッツRVのキャブコンのシリーズ「クレア」の、全長を5m未満に抑えたモデルです。カムロードをベースにしたキャブコンとしては比較的コンパクトですが、横向きソファを採用したダイネットなどで狭さは感じさせず、ゆとりと癒やしのある空間を作っています。圧倒的な広さを感じるセミダブルベッドも特徴で、5人まで就寝できるモデルですが、空間を贅沢に使った2人旅にもおすすめです。


キャブコンで快適なキャンピングカー生活を楽しもう!

キャブコンは、ベース車両がトラックのキャンピングカーです。居住スペースが広いので、ファミリーでの利用に向いています。「家族との絆を深めたい」「子どもや孫とすてきな思い出を作りたい」という場合は、キャブコンを利用してアウトドアを楽しむのもひとつの方法です。この機会にキャブコンを購入して、非日常的な体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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